if／妄執、のち、忘却 ページ37
Aがﾀﾋんだ。
その事実はライバーに伝えられ、リスナーへは"突然の引退"として発表。予告のない報せに様々な憶測が飛び交う中でAとの別れは喧伝されていった。
次第にその熱は落ち着いて、ライバーたちが配信を通常通りに行う頃になっても、俺はまだAを探していた。
ふわふわとした白い雲を見てはアイツの毛並みを思い出して。
海を見てはアイツの髪を思い出して。
星の輝きを見てはアイツのヘアピンを思い出して。
なにより空を見上げては、アイツの瞳を思い出す。
こんなに色で溢れる世界でAを思い出すなという方が不可能だった。
｢ねぇ、そんな必死になって葛葉は誰を探してんの？｣
Aが居なくなって、少なくない時間が流れて。
何度も何度も虚空へと手を伸ばした絶望が薄れないのに。
そんなふうに投げかけられた言葉に頭が真っ白になった。
｢……は？
それマジでいってんの？｣
｢マジも何も分かんないから聞いてるんじゃん。
と、いうか。葛葉ってそんな必死に誰かを求めるタイプだったっけ？｣
いっつも僕が引っ張っていくのに、その人ばっか葛葉からアプローチしててずるいめぅ〜、なんて拗ねている叶の瞳は何にも染っていなく、純粋に分からないんだということが読み取れた。
｢なぁ、Aって知ってるよな？お前だってコラボしてただろ!?｣
｢え、誰その人。
にじさんじの人？でもライバーの一覧にそんな人いないよね？｣
もう何が何だかわからなかった。
別のヤツに話を聞いてもAを忘れていて、でもライバー一覧にAの名前は残っていて。
記録も動画も残っているのに、Aの記憶だけが消えていた。
人外の奴らはまだ残っていたけれど、それも薄らとでしかない。
ここまで来て俺は、Aの遺した『のろい』『おれをわすせないで』の言葉の意味をやっと理解した。
それと同時に心が冷えた。
自分もAを忘れてしまうんじゃないかと思うと怖かった。
大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせて仕事をするうちに、Aは誰の記憶にもないくせに動画が残っているから気味悪がられる存在になってしまっていた。
そんな中でコラボをすれば、唯一Aを覚えている俺に話題が振られることも必然で。
その日も、それを何度も繰り返していたう日のうちの一つだった。
｢そう言えば例の人って葛葉さんの知り合いなんですか？｣
｢アイツは、｣
あれ……コイツ、誰だっけ。
if√＿Fin.
【#ワタリ's Streaming】ただいま #306【にじさんじ／渡】→←if／夢幻
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日向(プロフ) - りくさん» お眠だとwtrくんのIQは限りなく下がります^^ ありがとうございます！遅くはなってしまいますが更新頑張ります！！ (2021年11月18日 21時) (
レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - ｳﾞｧｧｧwtrかっっっわいい…幼児退行するwtr……ありがとうございます…お仕事等大変かもしれませんが更新頑張ってください応援してます (2021年11月17日 2時) (レス) @page41 id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - VALSHEさん» ifルート作成してみました！気に入って貰えたなら良かったです〜！！ (2021年11月9日 11時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
VALSHE(プロフ) - ああああああああぁぁぁ😭😭😭😭😭ありがとうございますありがとうございます。もう心がしんどすぎて好きです！！ (2021年11月8日 20時) (レス) @page38 id: c2ab4ac1ed (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 木比灘さん» てぇてぇでてぇてぇになったなら良かったです！(？)主人公の雰囲気も気に入ってもらえたなら嬉しいです！｢終焉逃避行｣を知らなかったので今度聞いてみようと思います！今後も無理なく頑張ろうと思います！もしリクエスト等ありましたらお気軽にお願いします！！ (2021年11月7日 22時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向 | 作成日時：2021年10月19日 1時
