犠牲 ページ32
さすがに
あれから葛葉たちをもっとちゃんと護れるよう強くなったと思ったのに。
もっと鍛練しないと行けないかと思うとため息が出そうになる。
一度怪我を治療するためにも現世へ帰るかと考えて翔べば、視界に映るのは見慣れた部屋。
葛葉の私物が所々に置かれ、チラホラと家具や家電が増えていた部屋。
その安心感にクスリと微笑めば、最も耳に馴染んだ声が俺を呼び、傷だらけの身体が温もりに包まれた。
しっかりと抱きしめる癖に、少しでも俺に痛みがないよう器用に抱き締めて来るやつを、俺は知っていた。
｢……え、くずは？｣
｢おっまえ……勝手に居なくなんなっていつも言ってんだろ……！
またこんな怪我して！！そんなに俺は頼りねぇのかよ！！｣
数週間ぶりに見た葛葉は怒っているようで。
なのに、どこか泣きそうな声色でそう叫んだ。
その声に全てを話しそうになったけれど……止めた。
だってこれは俺の問題だ。
葛葉は巻き込めない。
きっとカミサマにだって勝てないはずは無い。
でも絶対に怪我はする。下手をすれば、身体の不随や欠損だって有り得る。
……そんな危険に葛葉は巻き込めない。
俺が身体を張ればきっと全て丸く収まるから。
だから俺は、冷たく突き放すような声で告げる。
｢葛葉には関係の無いことだよ。あれは俺が……俺が殺らないといけないんだ｣
｢こんなボロボロで！1人で出来るわけねぇだろ！！｣
だけど、自分が今最も恐れている事に触れられれば、耐え切れなかった。
｢ッ、黙れよ煩いなぁ！俺が殺らないとって言ってるだろ！｣
初めて怒鳴った俺に対して、葛葉は酷く驚いているようだった。
分かってるよ。
多分、今の俺だけじゃ神殺しなんて叶わない。
それに一族の時と違って、何十年も玩具にされていた記憶が俺の身体を縛りつける。
きっと俺はカミサマと対面した時、あの時の絶望や恐怖を思い出してまともに動けやしないだろう。
それでも……それでも、きっとﾀﾋにそうな目にあえば動けるようにはなるだろうから。
殺される前に、相手を倒せれば。それは平和な解決でしょう？
葛葉は躊躇うようにしながらも、1度歯を噛み締めると俺の言葉に噛み付いてきた。
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日向(プロフ) - りくさん» お眠だとwtrくんのIQは限りなく下がります^^ ありがとうございます！遅くはなってしまいますが更新頑張ります！！ (2021年11月18日 21時) (
レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - ｳﾞｧｧｧwtrかっっっわいい…幼児退行するwtr……ありがとうございます…お仕事等大変かもしれませんが更新頑張ってください応援してます (2021年11月17日 2時) (レス) @page41 id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - VALSHEさん» ifルート作成してみました！気に入って貰えたなら良かったです〜！！ (2021年11月9日 11時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
VALSHE(プロフ) - ああああああああぁぁぁ😭😭😭😭😭ありがとうございますありがとうございます。もう心がしんどすぎて好きです！！ (2021年11月8日 20時) (レス) @page38 id: c2ab4ac1ed (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 木比灘さん» てぇてぇでてぇてぇになったなら良かったです！(？)主人公の雰囲気も気に入ってもらえたなら嬉しいです！｢終焉逃避行｣を知らなかったので今度聞いてみようと思います！今後も無理なく頑張ろうと思います！もしリクエスト等ありましたらお気軽にお願いします！！ (2021年11月7日 22時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向 | 作成日時：2021年10月19日 1時
