体調 ページ15
ふと、目が覚めた。
酷く重たい頭で眠る前のことを考えてみると、ふらりと目眩がしたことを思い出した。
あぁ、俺は倒れたのかと、その事実はすんなりと受け入れられた。
また寝食を疎かにしていたことを怒られると言うところまで思考が周り、内心舌打ちをする。
どうせあの吸血鬼は俺が俺を大切にしていないことに対して、俺の分まで怒ってくる。
いつもの事のはずなのに、何故だかそれが酷く気持ち悪かった。
｢A｣
｢……くずは｣
カチャリと開いたドアには葛葉がいた。
手には皿と水の入ったコップが乗ったお盆を持ち、ホッと安心したようにその真っ赤な瞳をゆるゆると緩ませた。
｢良かった、目覚めたんだな｣
｢……なんで此処に？｣
｢お前覚えてねぇの？
意識飛ばす前に俺にメッセ送ってきたじゃん。んで、来てみれば床でぶっ倒れてたからベットまで運んで飯用意してた｣
レトルトで悪ぃけど、料理出来ないから許せよと俺から視線を外してお盆を差し出される。
そう言えば床で倒れたはずなのに起きたらベットだったな、とか。持ってきた皿はお粥だったのか、とか。
ぐるりと色んな情報が流れてきたけど、違和感が強く上手く受け止められない。
一先ず起き上がってお盆を受け取れば、葛葉はいつものようにベッドの端に腰かける。
｢……怒んないの｣
そうだ。これだ。
自然と口をついた言葉に、違和感の正体が解けた。
今まで無茶をして倒れればこの心配性な吸血鬼はいつも怒った。悲しそうな瞳で、痛いものを見る瞳で。様々な感情を秘めながら｢もっと自分を大事にしろ｣と言葉を締めくくる。
それが今回は無かったから、違和感を感じたのだ。
｢……怒んねぇよ。いや、怒れねぇが正しいけど｣
ふわふわとした、自慢の毛並みとお揃いの髪を撫でられる。
｢お前は確かにいつも無茶してっけど、今回は凸待ちとか色々な事がストレスになったのが原因だろ。
それなら、気付いて助けらんなかった俺の落ち度だ。相談して欲しかったとか多少思うことはあれど、いつもみたいに一方的には叱れねぇよ｣
頭に置かれた手は、俺より少し冷えた温かな体温を伝えながらゆっくり撫ぜ続ける。
柔らかな刺激に、涙腺がじわりと緩んだ気がした。
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りく(プロフ) - 日向さん» ありがとうございます！楽しみにしています！！ (2021年10月17日 19時) (
レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - りくさん» リクエストありがとうございます！ボードの方のコメント気がついてなかったので助かりました！！話数が少ないので続編になってしまうとは思いますがのんびり書かせていただきますね！ (2021年10月17日 19時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - ボードの方にてリクエスト送らさせて頂きました！文字数制限でないなってしまったので…；； (2021年10月17日 18時) (レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 星さん» リクエストありがとうございます！女性ライバーさんは絡んで欲しい方の指定などはありますでしょうか？？敵キャラ化と家系図ですね！了解しました！ありがとうございます！！家系図はちょっと私の知識がまだ浅いので偏ってしまうかもしれませんが頑張りますね！ (2021年10月17日 13時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
星 - いつもこの作品を楽しく見させてもらってます！リクエストなんですが、女性ライバーさんとてぇてぇが見たいです！あと敵キャラ化してみたとかも見たいですし、2434家族家系図とかも見てみたいです！リクエスト多くて済みません体調崩さないように更新頑張ってください！ (2021年10月16日 22時) (レス) @page45 id: b61274ff34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向 | 作成日時：2021年9月10日 19時
