空色と結ばれて。【そらびび】

オムライス ページ8

いつもとは違う感覚だ。

私はいつも楽なやり方を考える。

努力はしない。


良く言えば、効率的な人間。

悪く言えば、努力できない人間。



「……また違う事考えてた…。」

私はぽつりと独り言を呟き、人参を置いた。

包丁で処理した割には、綺麗に出来たと思う。


私は満足しながら、包丁を縦に持ち替えた。

人参を千切りにして、他の野菜もそれぞれ切った。


(完成だ…。)

私は、二枚の器に取り分けた。



最後にオムライス。

サラダに以外と時間がかかっていたのか、炊飯ジャーの表面に“残り五分”という字が表示されていた。


私はフライパンに、玉ねぎと鶏肉を入れる。

塩を少々入れ、玉ねぎがしんなりしたらケチャップを加える。


木ベラで満遍なく混ぜ、そこにご飯を入れる。

炊飯ジャーで出来たご飯の形を崩しながら、ケチャップに馴染ませる。

混ぜれば混ぜる程、ケチャップのトマトの匂いが広がる。


ご飯が焦げない程度に熱した後、火を消す。

また別のフライパンに油を引く。

卵をとき、フライパンに広げる。


(頭ぼーっとするなぁ…。)

顔を軽く叩き、気合いを入れ直す。


卵をフライパンの奥に追いやり、裏返す。

また火を消し、二つに分けたケチャップライスの一つに乗せる。

そして真ん中を切り、卵を広げる。


(お腹すいてきたなぁ…。)

そんな思いを我慢しながら、もう一度同じようにする。


(出来た…！)

今回は我ながら上手くいった方だ。

これで卵アレルギーだったらどうしよう…。



ガラガラ…。

ゆっくりとお風呂の扉が開く。


「そらくん、どんな反応するかなぁ…？」

私は食卓で独り言を言いながら彼を待った。

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