空色と結ばれて。【そらびび】

帰り方 ページ5

A真横に居るから、LINEやめるね。

それだけ送ると、彼は私の方を向いた。


好きな人と目が合うだけなのに、心臓の音が止まらない。

そんな中で、彼は口を開く。


何を言い出すのかと思えば、一言。



「どうやって帰るの？」

「あっ。」

スマホの時間を見て確認すると、終電の時間はすっかり過ぎていた。


「うーん…。」

泣きそうな程、一人で悩む。


そんな中で、一つ思いついた事がある。

(そらくんが止めたからじゃ…。)

彼が告白する前は終電までは、少なからず、四本はあった。


しかし、この事実を彼に伝える気にはならなかった。

彼が告白してくれなかったら、確実に付き合えなかった。

私から告白する事は大抵出来ないと思う。



だから、代わりにこう言った。

「そらくんの家に、一晩泊めて欲しい。」

「えっ？」

彼は硬直状態になった。


いきなり、人の家に泊めろなんてお願いは図々しいとは分かってた。

しかも男性の家。

でも、こうするしか無いのだ。


「えっ、でも、男の家…。」

「お願い。この時間に他の手段なんて無いの。」

彼は眉を寄せて考えた挙句、許可してくれた。



でも、と彼は私に話しかける。

「手出しちゃうかも。恋人だし。」

ニコニコと彼は笑う。


「手出す…って…。」

どうやら私は、とんでもない地雷を踏んでしまったらしい。

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