褒めちぎる店員さん ページ26
とにかく暑苦しくてフードを外した。
「ふぅ…」
そう落ち着いているのも束の間で、後ろからジタバタと靴の音が聞こえた。
「やはりさっき入店されたお客様ですか!先程は男性と間違えてしまい、申し訳ございません…。どうか、店長には秘密で…」
「?…はい」
歯切れよく話す店員さんに、私はうんと頷くしか無かった。
「ありがとうございます…!!それにしても、お客様はお綺麗ですね!何処かのモデルさんか何かですか?」
“綺麗”だなんて、普段は外に出ないから聞いたことも無く、嬉しく思った。
「綺麗なんて…、ただのイラストレーターです」
「イラストレーター…!どんなイラスト描いてるんですか?!私、絵が大好きなんですよ!…まあ、描くことは出来ませんけどね」
詰め寄ってきて子供のように目を輝かせた後、軽くしょげた店員さんが可愛く見えた。
さり気なく名札を見る。
名前は、『神前』さん。
「あ!私の名前気になります?ここまでうるさい店員なんていませんからね。
「神前さん…ですか…。」
「はい!あ、お話もここまでにしましょうか。お客様の買い物を邪魔し過ぎました。買いたい服とか決まりましたか?」
こんな気の利く人は居ない。
(どんな時に使う服が欲しいか言えば…!)
そう思って私は口を開いた。
「あ、あの、デートとかに着る服ってありますか?」
(…え゛ぇ゛ぇ゛!!何言ってるの私!?)
依頼人さんと会うこと、そしてそらびびさんと会うことを考えたはずなのに…言った言葉はこれだ。
きっと、そらびびさんの事を考えすぎたからだろう。
(だからって、そうはならないでしょう!?)
「きゃーーっ!彼氏さんとイチャイチャですか!望ましい!それならうってつけの服がありますよ!」
勿論、神前さんは私の言葉を信じてしまった。
(でも、なんやかんや服が見つかるのか。良かった)
なんて考えた私は馬鹿だ。
「これはどうでしょう!」
「え」
見せられたのはオープンショルダー(肩見せ)のニットとリバーシブルスカート。
(デートじゃないんですよ!なんて今頃ねぇ)
探してくれたこともあり、暴露なんて出来なかった。
「絶対お客様に似合いますよ!ささ、着てみましょう?」
神前さんは、1人棒立ちの私の手を勝手にとって、試着室に連れて行く。
あ、ヤバいパターンだ。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
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猫夢 - アンチしてる人誰ですかちょっと教えてくださいちょっと話しするだけなんで(^^) (2023年3月4日 19時) (レス) @page47 id: 4683c1e665 (このIDを非表示/違反報告)
ゆもち(プロフ) - あまねさん…!!! 仲間ですね〜!!! バンザーイ(\;∀;/)←この顔文字見にくい フォトナ…あまねさんも始めたらぜひぜひ一緒にやりましょう!!! (2020年3月28日 18時) (レス) id: f7a618a47d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - フォトナいいな………。私もメンヘラかまちょって言われます! (2020年3月28日 17時) (レス) id: 5e8d51ce7d (このIDを非表示/違反報告)
ゆもち(プロフ) - 僕も小豆結菜さんとフォトナしたいです! ぜひぜひ一緒にやりましょう! どんだけでもかまちょでもいいですよ!僕がずっとかまってあげますから!← それに僕なんてメンヘラかまちょですから←? (2020年3月26日 23時) (レス) id: f7a618a47d (このIDを非表示/違反報告)
やゆり(プロフ) - 小豆結菜。さん» 私も小豆結菜。さんとやりたいです。゜(´∩ω∩`)゜。 (2020年3月26日 18時) (レス) id: 21909b1644 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やゆり | 作成日時:2020年1月18日 14時