空色に憧れて。【そらびび】

明日の準備 ページ25

まゆめside
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私がそらびびさんの冗談に乗った後、彼とのDMが途切れた。

「明日の準備、しないとなぁ」

明日は2つも立派な用事があって、朝から晩まで大忙しだ。


人と会うのだから、少しはお洒落していきたい。

(私、普段はずっと家に居るからな…)

クローゼットを開けて出てくるのは、懐かしいと感じる服ばかり。


「服、買いに行こう。」

そう決断した私は、家着の上からいつものパーカーを着てスニーカーを履き、家を出た。

フードも忘れずに被った。


(久しぶりだなー、外って)

体に当たる冷たい風も、緊張のせいで感じなかった。


近くの服屋さんに辿り着いて、自動ドアが開く。

入った瞬間から音楽が聞こえる。

それはマイペースな私と大違いの、忙しない曲だ。


「いらっしゃいませー！」

店員さんのよく響く声が私を止めた。


「あの、女性用の服ってありますか？」

そう聞くと店員さんは驚き、そして笑顔でこう返してきた。


「彼女さんのプレゼントですかー？」

(え。私、男性じゃないんだけど…。)


「ハイ、ソウデス」

「女性です」と言おうとしたが、言うとお店の恥だと思って敢えて言わなかった。

まあ、私がコミュ障で言えないだけなんだけど。

店員さんについていくと、可愛い服からかっこいい服まであるコーナーについた。

どんなものがいいかと聞かれたけど、何も考えていなかったから「少し考えます」と答えた。


そうすると店員さんは入口に戻った。

(うーん、何にしようかな)


なんせ、人に会うのだから。

可愛いのは私が浮くから駄目、かっこいいのも私が浮くから駄目…。

素材で選ぼうとしても、もこもことした毛と重ね着用であろう綿、定番といっていいほど多いポリエステルと沢山あって選び用が無かった。

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