mental ページ7
「四人か…。」
いざ、告げられると堪えるなと岩本は感じていた。しかし、この深澤のやり方に不満の声を漏らす事はしない。
深澤なりの考えがあると信頼しているからだ。
岩本はBAR「Snow Man」を出て一人、気分転換に近くの知り合いが営んでいるBAR「West」のカウンターでしっぽりと飲んでいた。
「照くん？」
そこに現れたのは意外な人物だった。
しかも、一人で入って来て岩本を見つけるや否や、隣に座ってきた。
「目黒…。言っておくけど…選ばれなかった事が悔しい訳じゃないからな…。」
「まだ、何も聞いてないっすけどね。偶々、此処に来たら岩本くんが居て俺もびっくりしたんすから…。」
偶然、目黒と会った事よりも深澤に選ばれなかった事の傷をどうにか塞ごうと必死である。
「とにかく…違うし…違うから…。」
「あらら…もしかして、ちょっと酔ってます？ふふっ、岩本くんの落ち込む姿、初めて見ました。何か新鮮っすね。」
「あんまり、笑うな…。」
「深澤くんと予想以上にギスギスしてるんすね…。翔太くんから聞いておいて正解でした。」
無自覚で更に傷を抉ってくる目黒。
岩本は酔いも回って、深澤に選ばれなかった事実についてもうどうでも良くなった。
「てか、お前はしれっと選ばれてるよなぁ…。ふっかに気に入られてるのか？」
話題は目黒の方に移った。
「深澤くんのお気に入りがあの四人とは違う気もするんすけど…。あの中では俺は新参者の部類に入りますし、戦闘能力もそこそこなので正直、選ばれた理由もよく分からないんすよね…。」
岩本は深澤が己の好みで選ぶ訳が無いと頭では分かっているが、理性よりも本能で「お気に入り」というワードで目黒に話を振ってしまった。
「そうだ…！俺ももっと強くなりたいんで今度、手解きしてもらってもいいっすか？」
「別にいいよ。そもそも、俺にそんな畏まらなくていいんだよ…。いつでも付き合うから…。」
酔いも回って目黒のよそよそしさが岩本には照れ臭く歯痒い気持ちが強かった。
「照くんって俺にしてみれば、先輩っていうか、武人っていうイメージなんすよね。誰にも負けない無敵の人って感じで、つい二人きりになると畏れ多くて、畏ってしまうんですよ。」
「そんなに褒められると困っちゃうな…。」
「勘違いしてもらいたくないのは、決して照くんが怖いとか、嫌いとか、そういう訳じゃないですからね。」
「うん…。分かってるよ。」
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赤雪(プロフ) - ceruさん» コメントありがとうございます！幼馴染が好きすぎるあまり色々と書きやすいんですよね。そう言ってもらえて嬉しい限りです！マイペースですが、更新頑張りますので宜しくお願いします！ (2月24日 1時) (
レス) id: e2d8ee24ac (このIDを非表示/違反報告)
ceru(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します！赤雪さんの作品の、世界観や展開、それぞれの関係性が凄く好きです！特に幼馴染の2人の関係性がとても好きです。これからも更新楽しみにしています！ (2月23日 20時) (レス) id: c99a8bf9b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤雪
| 作成日時：2023年1月27日 18時
