＊ ページ24
「嫌な執着心ね。」
「何だと？」
「宮舘くんの人生は貴方に囚われ過ぎている。一層の事、此処でおさらばさせてあげたいくらい。」
「おい…。これ以上、余計な真似したら、本気でアンタを殺すぞ。」
宮舘を解放させると発言する彼女。
分かりやすく煽り、渡辺から冷静さを奪うつもりだ。
「宮舘くんは縋りたかったのよ。大人にね。愛されなかった自分が他人に大切にされるのを望んでいた。」
「俺と離れた時に涼太を繋ぎ止めた事は感謝するよ。この事実は俺個人としては認めたく無いけど…。だけど、今は違う。過去を利用して涼太を味方に引き入れるなんて卑怯だ。Snow Manを分裂させ、さぞかし満足だろう？」
「ええ。上手く私の歯車になってくれたわ。深澤くんは私を慕ってくれたけど、その代償に私よりも遥かに上にいってしまった。私と深澤くんの管轄としてSnow Manという暗殺部隊が創設されたのに気付けば、深澤くん一人の手柄として挙げられてしまった。」
「それはアンタが深澤を超える目立った働きをしなかっただけで、他人に当たるのかよ。しかも、現在の警察の秘密部隊は俺らでも無く、SixTONESだし、最早、今のアンタの面子は丸潰れって訳か…。可哀想だな。」
渡辺は煽り返す。
スラスラと煽り文句が出てくる時の渡辺は頭が冴えていて調子が良い証拠である。
「どいつもこいつも躾のしがいがあるわねぇ？」
彼女は苛立ちを全面に出す。
ふざけるなと言いたいようである。
「Snow Manはそんな柔じゃねぇ。試練は乗り越えてなんぼってタイプなんでね。」
渡辺は胸ポケットから拳銃を取り出す。
モデルは宮舘とお揃いのもの。
「……これで涼太にも断ち切ってもらう。」
息を呑み、ゆっくりと安全装置を外す。
「……やめてくれるかな。」
背後から声が聞こえた。
満身創痍の宮舘がお揃いの拳銃の銃口を渡辺に向けている。
「おいおい、あんな余裕の無い顔で照を倒したのかよ…。」
「勿論、簡単じゃなかったよ。でも、俺に言われせれば、甘いね。照にしてみれば、どうしても俺を本気で敵として見られないらしい。感情は厄介だね。」
渡辺は宮舘を上から下まで舐め回すように見ると体はボロボロだが、まだ戦える余裕があると判断した。
「まさか、翔太と相対する時が来るとはね…。」
「そんなにあの女がお前に恩恵を齎したのか？」
「俺は恩を仇で返さない。それだけだよ、翔太。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 380人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤雪(プロフ) - ceruさん» コメントありがとうございます！幼馴染が好きすぎるあまり色々と書きやすいんですよね。そう言ってもらえて嬉しい限りです！マイペースですが、更新頑張りますので宜しくお願いします！ (2月24日 1時) (
レス) id: e2d8ee24ac (このIDを非表示/違反報告)
ceru(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します！赤雪さんの作品の、世界観や展開、それぞれの関係性が凄く好きです！特に幼馴染の2人の関係性がとても好きです。これからも更新楽しみにしています！ (2月23日 20時) (レス) id: c99a8bf9b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：赤雪
| 作成日時：2023年1月27日 18時
