＊ ページ12
「だから何だよ。」
「め、めめ…。」
目黒が反論した。
意外な人物が突っかかってきた事が驚きだった。
「深澤くんが功績を上げた事を棚に上げて自分の行動を正当化したいだけでしょ、あんた。嫉妬してる間があるなら、差を埋めるような事、何かしたのかよ。」
そう言うと目黒は拳銃を向けた。
彼女は手を挙げ、そして、下ろす。
すると、バタバタと駆けつける捜査員たち。
「これは…！」
「私の駒。これだけ居れば、彼らを封じ込めるわね。さあ、捕らえて。」
「マジか…。」
阿部は呆然としている。
明らかに劣勢。
四人でこの数を相手にするのはいくら、戦闘に手慣れているメンバーたちとはいえ、骨が折れるだろう。
「…やるしかない。」
阿部の呟きを励ますかのように宮舘が背を向けて言い放った。
「深澤くん、落ち込んでる暇なんてありませんよ。現実から目を逸らしてたら、死んじゃいます。」
「……分かった。こうなったら、生き残って問おう。俺の疑問の回答は生き延びてからにしよう。」
目黒の言葉に励まされた最年長。
ようやく、現実に目を向け、切り替えた。
・
・
・
一方、その頃…。
「あー遅い！何やってんだ四人は。」
渡辺がバーカウンターをうろちょろと動いている。その忙しなさに最年少が呆れているのを当の本人は気付かない。
「ねぇ、翔太ってじっとしてられないの？」
カウンターに寝そべりながら怠そうに問いかける佐久間。
「あ？佐久間、お前にだけは言われたくない。」
「そもそも、考えたって無駄でしょ。作戦練るタイプのふっか、阿部ちゃんが実行チームに居る以上、こっちが動きようが無いじゃん。待機組は黙って待機してろって事なんだからさー。ねぇ、康二。」
「俺に振らんといてやぁ。正直、大人の余裕とか考えられへん。めめの事、心配してない訳とちゃうんやから。」
軽く料理を振る舞いながら、気を紛らわせている向井は苦笑しながらそう言った。
「重症なんは照にぃやろ。」
「確かに…。」
ラウールは激しく同意している。
岩本はストイックにマラソンに出掛けていた。最早、居ても立っても居られないといった衝動からだろう。
「動かないとやってられねぇって事だろ。トレーニングしに行くとかほざいてたけど、本音は心配で堪らないってのが、見え見えなんだよ。」
「翔太がそこまで言うんだからそうなんだろうねー。」
「呑気な奴だな、佐久間は。」
「俺だって立派な大人だからねー。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 380人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤雪(プロフ) - ceruさん» コメントありがとうございます！幼馴染が好きすぎるあまり色々と書きやすいんですよね。そう言ってもらえて嬉しい限りです！マイペースですが、更新頑張りますので宜しくお願いします！ (2月24日 1時) (
レス) id: e2d8ee24ac (このIDを非表示/違反報告)
ceru(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します！赤雪さんの作品の、世界観や展開、それぞれの関係性が凄く好きです！特に幼馴染の2人の関係性がとても好きです。これからも更新楽しみにしています！ (2月23日 20時) (レス) id: c99a8bf9b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：赤雪
| 作成日時：2023年1月27日 18時
