【スタマイ】捜査一課の女神様 (ページ10)

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落ちたハンカチから1枚の写真が出て来た。

男達はただの浴室の写真に見えただろう。

Aはもはや顔色が無かった。

「懐かしい写真だと思いまして」

「……それで、彼女の場所はどこですか」

「ん？知りませんよ。興味ないですし」

その回答にAより先に聡介が動いた。

彼はAの前に出ると拳を握りしめて振り上げる。

しかし、それは彼の下には届かなかった。

「なんで止めるの？A。あぁいう他人の痛みを分からない相手を躾けるには一番いい方法だと思うんだけど。あぁ、そっか。身体的な痛みはいずれ消えてしまうからね。じゃあ」

と言葉をつづける前にAは男に対して頭を下げた。

「ご協力、ありがとうございました」

そういってAはフラフラと歩いて行った。

「耀さん」

「行ってやんなさい。倒れられても困るしね」

と服部は荒木田を見送る。

「は、ははっ。殴れなくて残念でしたね。まさかAちゃんに止められるなんて」

可哀想な奴、という前に聡介に殴り飛ばされる。

男が起き上がる前に聡介が男の胸を踏みつけることでそれを妨げた。

「知っていることを吐くといい。そうしたら今の拳一つで納めてあげる。それでもしらばっくれるなら、家族……俺達以外の一族路頭に迷わせてやる」

「ぼ、僕は本家の人間だぞ！僕の言葉が信じられないというのか！」

「本家の人間がねちねちと十数年も女の子にまとわりついて嫌がらせしているのか。そんなもの廃れた方がずっといいね。尚更信用に値しないな」

十数年もという単語に周りがざわつく。

「な、なんでそれを知って」

「そんなのどうだっていいよ。俺が先に質問したんだから答えて。どうして、Aと一度か二度しか接点を持ってないマトリを認識できて、俺達のトラブルがそのマトリの女の子がいない、と認識できたのか」

「それは、盗ちょ」

「それはない。Aの鞄についてたのなら最初のうちに俺が捨てたからね」

それから男は色々言い訳を述べるが全て聡介がこうなると分かっていたかのように事前の動きで逃げ道が塞がれて行く。

最終的には泉が居なくなった件と関係していることを自供した。