【スタマイ】捜査一課の女神様 (ページ9)

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その後のパーティでは何も起こらずに時間が過ぎて行った。

事が動いたのは終わってからだった。

お手洗いにと泉が場を離れて大分時間がたつが戻ってこない。

「……遅すぎるな。今大路、Aさん。悪いけど見てきてもらっていいかな？」

関の言葉に二人が了承してすぐに動こうとすると1人の男が姿を現す。

ニタニタとした顔や肥満型の体系も相まって気味が悪い印象を受ける男性だ。

「おやおや、Aちゃんと聡介さんじゃないですか。なにかトラブルですか？」

聡介は面倒くさそうな顔をしたがAは動きを止めて目を見開いて相手を見る。

幾らか顔色が悪くなるのが分かると聡介はAの肩を掴んで自分の後ろに下がらせた。

「見ての通りトラブルだ。対処にあたるから哲坊は大人しく元の広間に戻るといい」

「良いんですか？そんなに邪険にして。もしかしたらマトリの女の子が行った先を知っているかもしれませんよ？」

その言葉に場がどよめいた。

聡介とAの反応から良い相手ではないのが伺い知れる。

言葉を信じて良いものかと。

「知っていることを教えてあげてもいいですけど、その代わりこの間Aちゃんの落としたハンカチを返させてください」

その言葉だけでAの顔色は更に悪くして首を振る。

「落とした覚えなんて……」

「落としましたよ。ほら」

と白い花柄のハンカチを見せる。

すると男はそれがいつ、どこで買って、どこで落としたのか詳細に日付を述べる。

本人ですら買った日付なんて覚えてないだろうに。

明らかに広がる異常な光景に誰も動けずにいた。

しかし、最初に動いたのはAだった。

聡介の後ろから出て前に立ちハンカチを受け取る。

「大変でしたよ。Aちゃんが使っている洗剤と柔軟剤、あれ店舗限定品だったものですから。ハンカチって小物類ですから下着類と洗ってたりするのかなと思いながら型が崩れないように手でしっかり洗わせてもらいました。プレゼントも入っていますから是非広げてみてください。じゃないと協力、しませんよ」

Aは暫く顔を青ざめていたが「協力」という単語に反応して恐る恐るハンカチを開く。

そして途端に落とした。