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「で?君達はくっついたと。ふぅん。それで同棲?早くないですか。母さん」
「あら、いいじゃない。まともに食事をとる習慣ができるわ」
「生活できないみたいなこと言わないでください……」
「あら、事実でしょう。時々みのりを寄越さなかったら何回栄養失調で救急車呼ぶ羽目になるのやら」
Aは苦笑いを浮かべることしかできなかった。
聡介の母親は楽しそうに笑う。
「そうじゃなくて母さん!展開が早すぎるんだって」
「あら、お互い何年もこじらせているんだから良いんじゃないの。ねぇ、服部君。うちの子、甘えん坊で大変でしょう」
どうでしょうね、と服部は濁すことしかできなかった。
終始三人は母親に転がされるだけの食事会が終わる。
「A、お父さんも喜んでいたわ。今度はうちに来なさい。貴方の為なら時間を作ってくれるから。その時は呼んで頂戴ね。あの人の泣き顔見たいから」
「性格歪んでいませんか」
「表情筋が動くのを見たいだけよ。あの人能面みたいに動かないじゃない」
それじゃあねと迎えの車に乗って帰って行ってしまう。
聡介は壮大な溜息を吐いた。
「今度みのりにも会いに来い。俺よりはいい対応するはずだから」
とむすっとした顔で帰って行った。
「なんやかんや耀さんの事気に入ってるんだよね」
「え」
服部が嫌そうな顔をした。
「もしかして苦手でした?」
「まぁ、多少はね。俺達も帰ろうか」
「久しぶりにお互い休みですからね。家でのんびりしましょう」
そうだねと笑うとAは服部の手を取った。
「甘えん坊だね」
「知らなかった?温かいのが大好きなんですよ」
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作者名:弥生 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=hakuoukiyayoi http://
作成日時:2022年4月22日 0時