【スタマイ】捜査一課の女神様 (ページ13)

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「なんだか騒がしいな」

誰かのそんな声に耳を澄ませると男達の怒号が聞こえる。

「腕に自信は？」

「えっと、あまり……」

そう。と答えると泉を聡介や桧山たちの方へ押し付けた。

未だに顔色が悪いというのにA落ち着き払っていた。

暫くすると三人組の男達が走って来る。

手にはそれぞれナイフを握っている。

「くそっ！あの男なんなんだよ！」

「蹴りでナイフ折るとかドラマの世界かよ！」

「おい！女がいるぞ！とりあえず人質に」

と騒いでいるのが聞こえる。

「元気だねぇ。俺だったら体力温存に叫ばないけどね。その距離なら十分声届くし。まぁ怪我しない程度に頑張るんだよ」

「お巡りさんに厳しい事言ってんの？」

そんな風に言葉でじゃれ合っているとAと男達の距離が縮まる。

「おい！死にたくなかったら……」

と言った瞬間に男一人が地面に伏せた。

次の瞬間にはもう1人が投げ飛ばされる。

最後の一人は何が何が起こっているか分かっていない様子でその場で静止した。

「手」

「え」

「手を出しなさい」

「あ、はい」

と出て来た手に手錠をはめてナイフも没収する。

他の二人にも手錠をかける。

しかしAはそこで息を一つ吐いて立ち上がって男達が走ってきた方向を見る。

「くそっ！待ちやがれ！」

巨漢が車の陰から現れるとそのままAに拳を振り上げた。

Aは横に逸れてかわすがどこか驚いた顔をした後に少し顔を引き締めた。

そしてスーツの内ポケットに手を入れる。

「はっ！鉄砲で相手するってか！させねぇぜ！」

と恐ろしく速いパンチが襲うがAはそれを避けるかいなすかをしてまだ無傷だった。

しかし、一瞬ふらついたため一撃を掠めた。

「ツッ……話を少しは聞いてくれないと困るんですが」

「あぁ？声が小さくて聞こえねぇよ！」

と上段蹴りを見舞われるが腕でガードをした。

「やるじゃねぇか。お前、強いな」

とはいえ、Aもやられっぱなしではなかった。

何回か投げたり足払いをしたりと地面に伏せさせようとするがすぐに足をついて起き上がる。

通用しないと悟ったAは少し距離を開けて泉たちの方を見る。