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出発の時間が近づくと賢者がAを呼びに来た。
Aは機嫌良さそうに鼻歌を歌いながら案内に従った。
リケ「あの、これから依頼をこなしに行くのに不謹慎なのでは？」
A「あぁ、ごめんね。少し嬉しいことがあってね。ふふっ。何十年ぶりだろう。こんなに嬉しかったの。とはいえ、浮足立ってたら君達の不安になってしまうね」
オズ「……準備は良いか」
そこには中央と東の魔法使いとホワイトが居た。
ホワイト「あぁ、いつでもいけるぞ」
Aも頷くとオズは魔法で北の国までとんだ。
オズの後ろを歩いて行くとオズがいきなり止まった。
Aは羽織っていたマントの帽子部分を外した。
A「さぁ、オズ、ファウスト、坊や。こちらへ」
オズが止まった場所から二歩ほど全身して振り返ると両手を広げた。
ファウスト「2人は分かるが何故僕まで」
A「君も、見初められているからだよ。そしてオズのいる場所から一歩入ったところから彼女のマナスポットに入ることになる」
オズは嫌そうな顔をしたが首を振って一歩入ると姿がみるみる小さくなる。
アーサー「オズ様！」
オズの変化に驚き駆け寄ろうとしたアーサーも小さくなった。
ファウスト「なるほど。出会った当時の体の大きさになるのか」
渋々といった様子で入ると大して変化はなかった。
ファウスト「魔力もか」
A「さぁ、他の坊や達もおいで」
と笑う後ろに何かが凄い速さで来た。
「オズ、アーサー、ファウスト」
と艶やかな声で呼ぶ女性が立っていた。
ファウスト「お前は……！」
「ふふ。帰ってきてくれるなんて運命ね。それに可愛らしい魔法使いが沢山。それなのに、どうしてお前が居るの？」
A「どうしてって、坊や達を守ると約束したからだね。それに君にあげにきたんじゃない。用事のあるところが君の縄張りだっただけだとも」
そう言ってベルをとりだして呪文と共にベルを鳴らすがAは少し驚いたように魔女をみた。
「驚いた？大体、北の魔女が西の魔女に負けるわけがないの。私たちは強さが象徴だから。だから、幻惑の魔法はここでは使えないわよ」
だけど困った表情をAは見せない。
「なに、怖気づいた」
A「ううん。ネタバラシしてくれるなんて可愛らしいなって」
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作者名：弥生 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=hakuoukiyayoi http://
作成日時：2022年2月2日 17時
