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A「むしろ、この坊やがこうして傷痕一つなく元気でいられるのは幸運に幸運を重ねた結果だと言えないかい?」
オズ「……幸運だと?」
A「そうだとも。もしあの状況でオズが坊やを見つけていたらアルミラージは跡形もなく滅びていただろう。一応角の生えた兎だが種族的にはドラゴンに位置している。つまりは坊やの薬の原材料がお前の浅はかで短慮な考えで消えるということだ」
意味は分かるね?とAが首を傾げるとオズは気まずい顔をして俯く。
そうする自覚があったのだろう。
しかし、とAはアーサーをじっと見る。
A「坊や、全部を話していないらしいけれど、どこまで話したんだい?」
アーサー「兎と戯れたとしか……ほかに何かありましたか?」
本当に記憶にないらしく、不思議そうにAを見る。
Aは双子を再び見る。
2人とも目を逸らした。
A「北に行く際は魔女に気をつけなさいね。坊やの事を見初めたのが居るから」
そう言ってアーサーの頭を撫でた。
アーサーを気持ちよさそうに目を細めた。
そうしてAはスコルとハティを影にしまう。
A「さて、次の場所へ行こうかな。うんうん。楽しいひと時だったよ」
ミチル「あ、あの!A様はお強いのですか?」
Aは興味深そうにミチルを見た。
A「君にとっての強さというのはオズや北の子達みたいな力押しの事かい?」
ミチル「はい!僕、強くなって兄様やフィガロ先生を守れるようになりたいんです!」
A「それなら私は最弱だよ。君にも負ける自信がある。なんせ攻撃の魔法は私の大の苦手だからね。精々、硝子や陶器を割るのが関の山だ」
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作者名:弥生 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=hakuoukiyayoi http://
作成日時:2022年2月2日 17時