【まほやく】御伽噺のような (ページ30)

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シャイロック達の目の前にあった城は瓦礫の山へと姿を変えた。

クロエ「A様！」

ラスティカ「危ないよクロエ。揺れが収まるのを待ってからだ」

いつの間にか戻ったラスティカに言われてクロエは立ち止る。

揺れが収まり、四人で広間のあったところへ向かう。

城の中心部であったため一番瓦礫の山が積みあがっていた。

しかし、瓦礫のしたから、衣装はボロボロだが無傷のAが出て来た。

シャイロック「やはり、だめでしたか」

A「あの魔法陣が発動した時点でだめだった見たい」

と笑いながら服の埃を叩くように叩くと別の衣装に代わる。

やっぱりと言ってAが見た先にはゴーストが消えていなかった。

A「中央の坊や達と合流しようか」

箒をとりだして向かって行く。

陽が落ちてきている空を眺めながら飛んでいると戦闘音が聞こえた。

魔法使いと戦っているようだった。

A「坊や達はリケとオズを保護しててね」

と箒を消して落ちていく。

ムル「わぁお。助かるって分かってても子の高さから落ちるなんて正気じゃないね！」

シャイロック「でもそれが彼女の正気なのでしょうね」

カインが剣で押されて、耐性をグラリと揺らす。

カイン「しまっ！」

「終わりだ」

と相手が剣を振り上げ下げるがそれが細剣の一撃で逸れた。

相手は驚きの表情を隠さなかったがすぐに魔法を使う。

しかしAが指を鳴らすと魔法陣が崩れる。

相手が次の動きを出す前にAの膝蹴りがうまい具合に入ってふっ飛ばされた。

A「あらあら。こんなにボロボロになって」

大蛇がAの前に現れると大口を開ける。そこから東の魔法使いも出てくる。

A「まぁまぁ。大変だったわね」

そういってベルを鳴らすと全員の傷が消えた。

瓦礫からノアが出てくる。

ノアの傷まで塞がっている。

どういうつもりだと言いたいらしい。

A「あら、物事は対等が一番よ。私が万全なら貴方も万全であるべきだと思わない？だって不調だから負けたなんて言われたくないもの」

さて、と剣に手をかけて相手と向き直る。

A「手を引いてもらえないかい？」