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夜に言ったとおりにAは帰ってきた。
数本の角を持ってファウストに二本上げた。
A「こっちが雄でこっちが雌。見分けはつくかな?」
そう聞かれたファウストは見分け方を説明するとAはにっこりと正解だと笑ってもう一本ずつ渡した。
ファウスト「貴重なものを」
A「いいのいいの。こういうのは有効活用できる子にあげなきゃね」
そう言いながらファウストの頭を撫でていると突然冷気が部屋を包む。
何処か窓でも空いているのだろうかと見渡すと、ミスラから出てきていた。
ミスラが骸骨を掲げると「アルシム」と一言言った。
ルチル「ミスラさん?!」
骸骨が巨大化して襲おうとした。
A「メメント・モリ」
そう言ってベルを鳴らす。
しかし、特に何かが起こるということもなく骸骨はAを食らう。
ルチルが飛び出そうとしたがスコルが裾に噛みついてそれを止めた。
ミスラ「貴方の幻覚は沢山見て来た。だったらそれ事食べてしまえばいいだけです。犬も賢いようですね。死体にして使役してあげます」
そう言ってミスラはスコルに手を伸ばすとその手は飛んで行った。
ミスラが振り向けばハティがスコルとルチルの前に立っていた。
ミスラはじっとなくなった手を見てまた「アルシム」と唱えた。
しかし起こったことといえば巨大な骸骨が崩れてAが現れたことぐらいだった。
A「相変わらずミスラは遊び盛りだね。ところで何をそんなに眉間に皴を寄せて怒ってるのかな?」
ミスラ「はぁ?手をそこの犬に食いちぎられたんですよ」
A「犬?狼しかいないけど。というより、君はいつの間に腕が増えたのかな?脱がしてみてみたいね」
そう言ってミスラは自分の手を見ると元に戻っていた。
否、食いちぎられた跡が全くない。
食いちぎったハティはミチルの足元で興味なさそうに大きく欠伸をしている。
A「あっはっは。チレッタと同じでお土産好きだったもんねぇ」
よしよしとミスラにユニコーンの角と骨を握らせた。
ついでのようにフィガロにも。
ミスラ「いや、いっつも無理矢理押し付けて帰ってますよね」
A「あ、そう?じゃあ返して」
ミスラ「やです。もう俺のですから」
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作者名:弥生 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=hakuoukiyayoi http://
作成日時:2022年2月2日 17時