【まほやく】御伽噺のような (ページ20)

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そうやって食事をしている北の三人が不満そうな顔で現れる。

オーエン「ねぇ、お前。いつになったら僕たちをこの世界から出してくれるの？」

その言葉にAは笑みを深める。

分かっていない魔法使いたちは驚いた顔をするものもいる。

A「相変わらず飲み込みだけは早いね」

ミスラ「質問の答えになってませんが。聞こえてます？殺しますよ」

A「別に私はそれでも構わないけど。そうしなかったのにも理由があるんじゃないのかい？」

ミスラは図星を突かれたようで苦虫を噛み潰した様な顔をした。

A「オーエンの質問の答えは、そうだね。向こうの私が今相手している魔法使いを訳ないと判断した時だね」

オーエン「は？なに？僕たちを守っているつもり？むかつくんだけど」

A「私がそんな善人な魔女に見えるならそう思えばいい」

ブラッドリー「……俺達がお前を騙る魔法使いに騙されるとでもいいたいのか。はっ。まやかしなんてぶっ壊せばそれで済む話じゃねぇか」

とブラッドリーは銃を構えた。

Aは慌てる様子を見せるどころか、剣を抜こうとしたルガイドを制した。

ブラッドリー「はっ。この状況でも余裕ぶっこけるのか。魔法も使えないくせに」

A「ブラッドリー。お前もこれを使ったことがあるから分かると思うが魔法は使えなくはないんだよ。内側ならね。それで？お前達はいま、どこにいる？」

ブラッドリーが目を見開くと同時に引き金を引くと銃声が響く。

しかし、銃口を向けられたAは平然としている。

逆に、ミスラとオーエンがそれぞれ一部を抑えている。

抑えている手の隙間からは鮮血が流れる。

A「お前にしては浅慮だったね。ブラッドリー。それで？このまやかしを壊せそうかい？」

そういって立ち上がり、ミスラとオーエンの傷を癒した。

不意にAの顔の頬に傷がつく。

A「おや、向こうは結構やるみたいだね。けど残念。魔法を使えない私にこの程度の傷を負わせるのに数日かかってるなんて」