【まほやく】御伽噺のような (ページ12)

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思いの外時間がかかった。

しかし、その間にファウストもオズもアーサーも元の姿に戻った。

Aが最初に居たところに行くとそこには巨大な氷柱とそれを駆けあがるアルミラージの姿があった。

A「お帰り。おや、お前の言ったことは本当だったんだね」

氷柱の頂上で座りながらお茶をしていた。

「本当だと言っただろう！だから！早くこのうさ、アルミラージをどっかにやって！」

氷柱の中心部にアルミラージの小さな口でちまちまと喰われている魔女の姿があった。

A「お前の魔法なのに私に頼むのは間違っているんじゃない？」

「溶けない！砕けない!助けてくれ！もう二度とやらないから！」

A「おや、それを聞くのは4回目ね。不思議」

口は笑っているが目は笑っていなかった。

「約束、約束する！二度とお前に関わる魔法使いを食おうとしない！呪いをかけたとしても発動させない！」

Aはお茶の味を吟味するようにふむ、という。

A「まぁ、いいかな」

そう言ってベルを鳴らすとアルミラージは我に返ったようにオズたちに怯えて森に消えて行った。

Aは踵で氷柱を叩くと日々が割れて砕けた。

頂上からそのまま落ちたAは地面に触れる前にふわりと減速してオズたちの前に立った。

ハティはすぐにAの陰に入った。

そしてAはスコルにまたいだ。

A「約束は果たした。これで失礼するよ。君達とは縁がありそうだから、またいつか」

そう言って駆けだした。