101話 ページ2
岩泉「──────────！でも、戦う時は全力でぶっ倒す」
及川「……望むところだね」
負けた。だからなんだ、俺のバレーは何一つ終わっちゃいない。今日も通過点だ
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
桐島「お疲れ」
松川「桐島……俺」
桐島「ちゃんと分かってる。全力だった。烏野も全力だった。そうでしょ？」
桐島ちゃんはまっつんとしばらく話した後、俺のところへ来た。それも酷く感情の読めない顔で
桐島「及川」
及川「……なに」
なんか無性にイライラしてたから、素っ気なかったかもしれない。いつも通りだったかもしれない。
感情の読めない顔。俺は嫌いだ。でも、やっと人間らしい顔をした
桐島ちゃんは少し笑った。今まで俺にそんな顔したことなかっただろ。いっつも眉間に皺を寄せたしかめっ面で、話すと絶対怒るくせに、なんで今は
桐島「お疲れ様。勉強になった」
及川「……結局俺は美玲ちゃんの期待を裏切った。美玲ちゃんも来てたんでしょ。何か、言ってなかった？」
美玲ちゃんの姿は見えなかった。それでも、来ていることだけは分かってた。絶対来てくれてる、見ているはずだって。アップ中も、休憩中も、TO中も、ずっと御守りを握ってた。大丈夫、俺達には美玲ちゃんがついてる、負けるはずない。
桐島「美玲は帰ったよ。ただ、伝言を頼まれてる」
美玲ちゃんは、期待を裏切った俺達に愛想を尽かしたんだろうか。もう、あの顔を見ることは出来ないんだろうか。
･
･
桐島「"ありがとう"……だって」
及川「……そっか。美玲ちゃんは泣いてた？」
桐島「泣いてたよ。……良かったな」
あの弥生美玲が、俺達の為に涙を流してくれた。それだけでこっちまで泣きそうだよ
桐島「あ、ちなみに私はお前だけじゃなくて影山の技術も盗むからな。じゃっ」
及川「はあ！？んな簡単にいくわけないでしょーが！」
桐島「それが出来ちゃうんだよな〜これが。私はお先に上で待ってるから」
及川「俺の方が先だしー！」
これだから天才は嫌いだ
桐島「…………及川、ありがとな」
及川「……こっちこそありがとう」
やっぱ嫌いだ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
及川「……会いたいなぁ美玲ちゃん」
俺を見て何を言うんだろう
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すみた先生 | 作成日時：2020年8月29日 20時
