100話(祝) ページ1
ポォン……トン、トン…………
ﾋﾟﾋﾟｰｯ
ﾍﾟﾗ……
春高予選。準決勝。
青葉城西高校-烏野高校
セットカウント
1-2
勝者、烏野高校。
･
･
･
青葉城西高校、準決勝敗退。
･
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
桐島「……ぅ、……そ……」
『……帰ろっか優香』
桐島「……え……？」
『帰ろ。私は帰る』
桐島「なん、で……あいつらに、何か……」
『……私はマネージャーでも、みんなのファンでもない。私が何言っても、なんの意味も持たない。優香は行ってきなよ。行く口実がある』
桐島「……は？そんなの、美玲だって……」
『優香』
桐島「っ！………ごめん」
ポタッ
『いや、謝るのは私。キツい言い方したね』
桐島「ね、ねぇ、美玲も行こ？多分及川達は美玲に……」
『私は勝ち負けにこだわりたくない。
でも勝って欲しかった。どの学校より近くで見てきたから、彼らのバレーを見てると楽しくなるから、私が出来なかったことを成し遂げて欲しかったから。
頑張れって言った。期待してるって言った。牛島倒せって言った。誰にも負けるなって。勝てって。』
桐島「み、れい……？」
『っでもさ、……負けたんだよね……っはぁ……』
ポタッ……ポタポタッ……ポタ…………
『負けた姿なんて二度と見たくなかったんだけどなぁ……っ』
「「「ありがとうございましたァ！！！」」」
『……何に対してだろうね。応援？サポート？負けたじゃん』
桐島「私達は、応援があるから頑張れる、サポートがあったからここまでやれた、って思うようにしてるよ。たとえ負けても、結果を残せなくても、期待を裏切ることになったとしても。
それでも、みんなの善意と期待に、精一杯感謝したいんだ。
美玲の言うことも一理ある。負けた自分達が、なんで負けた直後に他人に感謝しなきゃいけないんだってね」
『出来れば何も言って欲しくなかった。ただ無言で去ってくれれば、私までこんなに悔しくなることもなかったのに……』
泣きながら感謝されたって、虚しくなるだけだ
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2020年8月29日 20時
