a.1 命名 ページ9
ザシュッ
滝上さんが最後のシャドーを斬る
周囲を見渡すけどシャドーの姿はなかった
「勝った、のか？」
天野さんがポツリと呟く
警戒を緩めずにいるが、もう一体も現れない
…勝った？
「おめでとうございます。チュートリアルは皆様の勝利でございます！」
「そんなこと、どうでもいい。お前は何者だ」
かずくんが低い声で言う
「私は『アンサー』と申します。
「ゲーム、マスター…」
滝上さんが呟く
「ゲームマスターと言うことは、貴方の後ろに黒幕がいると言うことですか」
「黒幕ではありませんよ、夏目レイカ様」
「信じられる情報ですか？」
「それは御自分でお考えください。では、チュートリアルはこれにて終了。後日、また新しいミッションが発動しますので、それまでお休み下さい。それでは私はこれで」
そう言うとアンサーは一瞬にして姿を消してしまった
「ねぇ、アンサーの言うこと信じられる〜？」
「さぁな。でも、今俺達が分かることはあいつの言ってたことだけだ。信じる他ないだろ」
「やっぱ、そうだよね〜」
「でも、ゲームマスターって誰なんだろう？」
「それは私も思ったよ、咲羽ちゃん」
「行き詰まったねー…」
あれ、そういえば猫ってどうなった？
そう思って辺りを見渡すけど、猫の姿は何処にもなかった
「何か探しているのかい？」
「んー、シャドーと戦う前に猫がいたんだけどさー、どっかいっちゃって」
「それなら君の足元にいるじゃないか」
「え？」
春ちゃんに言われて足元をみる
「…ほんとにいた」
「わしは幻覚ではないと言っておるじゃろ！」
「夢なら覚めてほしいんだけどな〜…」
「夢でもない！」
なんか、あれだ
おじいちゃんだ←
「…、おじいちゃん」
「おじいちゃんではない！」
「じゃあ、どう呼べばいいの〜？」
「お主の呼びたいように呼べば良い」
「えー、呼びたいようにって言われてもな〜？んー、じゃあ、『まろ』で」
「何故、その呼び名に至ったのじゃ…」
「まろ眉だから」
「安直すぎじゃろう！」
「覚えやすいからいーのー」
命名、まろ
安直すぎとかひどいなー
これでもちょっとは考えたんだよ〜？
まあ、ほんとにちょっとだけど←
「それよりさー、これからどーするのー？」
私の一言で皆、考え込んでしまった
「あ、じゃあ、僕の店で話し合いでもするかい？」
「店？」
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