a.1 春ちゃん ページ8
かずくんのことを押し退けてシャドーの攻撃をもろに受ける
が、次はバランスを崩すことはなかった
「いっ、た」
ザシュッ
殴られたあとすぐにシャドーを斬る
シャドーは風が吹くと跡形もなく消えてしまった
「意外と弱かったなー」
「弱かったなって言ってる暇か！殴られたところ！見せてみろ！」
「えー、これくらい大丈夫だってー。ただの痣だよー」
「痣でも怪我は怪我だろ！」
「かずくん、お母さんみたい」
「誰がお母さんだ！」
「そういうとこー」
かずくんとじゃれ合いをしていると牡丹ちゃんが走ってきた
「弥生ちゃん！さっき怪我したところ見せて！？」
「だいじょーぶだってー。かずくんも牡丹ちゃんも心配しすぎ〜」
「少しの怪我でも油断しちゃダメ！早く見せて！」
「む〜、牡丹ちゃんが言うなら…」
牡丹ちゃんはいつの間にか持っていた本を開く
本からは光の粒子のようなものが出てきて痣の周りでキラキラと光る
「あれ、痣消えた？」
青くなり始めていた痣が綺麗さっぱり消えてしまった
「牡丹ちゃん、いつの間に魔法使いになったの？」
「私は魔法使いじゃないよ。私のチュトラリー・ウェポンは怪我を治せるみたいなの」
「そーなんだ。便利だねー」
「便利だけど攻撃に使えないのが欠点かな…」
牡丹ちゃんはちょっと困ったような顔をする
私はそんなことないと思うけどなー
怪我を治せるって攻撃とかより一番いいと思う
シュッ
顔の横を何かが通り過ぎ、風を切る音がした
後ろを見るとシャドーの額？に矢が刺さっていた
「危なかったね。そのシャドー、君に殴りかかろうとしてたよ？」
「そーだったんだー。ありがとね〜、えーっと、春ちゃん」
「春ちゃん…、男に『ちゃん』はちょっと…」
「春ちゃん」
「…、もうそれでいいよ」
「いえーい。弥生ちゃん大勝利〜」
弥生は 春ちゃんを仲間にした←
さーてと、
「怪我も治してくれたし、残りも片付けちゃおっか〜。春ちゃん、弓矢だよね？援護よろ〜」
「はいはい」
そこからは早かった
私はシャドーの群れの中に突っ込んで、散らばらせる
それをかずくんとか春ちゃんが倒す
途中でまた殴られそうになったけど、その時は咲羽が助けてくれた
すごかったよ〜
杖から火の玉が飛んできて、シャドーが灰になっちゃった
ついでに燃やされそうにはなったけどね〜←
あと、レイカさん？レイちゃんでいっか、もすごかった
なんかこう、剣の達人みたいな動きしてた
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