噫無情24 ページ24
慣れた感覚。それはあの時、散々感じたあの重み。
自分の身体に、さらに負荷のかかるあの、ずしりとした感覚。
ポートマフィア幹部、中原中也の異能力。
「ちょっと、何でこんなトコで幹部様がお出ましになるのよ、本当に」
藍色の髪を掻き上げつつ、Aは冷や汗が流れるのを感じた。探偵社からの増援の見込みはほぼゼロ。ヒーローの卵たちにどうこうできる相手でもなし。
絶望的だった。
しかし、そこで諦めては探偵社の看板に泥を塗ると同じ行為。Aは恐怖や不安を押し殺し、にやりと笑って敵と相対した。
「異能力『銀食器』」
「『汚れつちまつた悲しみに』」
銀の薙刀が、重力の拳と撃ちあった。
いつもの何倍だろうか。感じたことのない重み。そしてマフィアきっての体術遣いの手加減なしの一撃。薙刀が折れないのが不思議なほどだった。
そこからの戦いに、言葉は不要。ひたすらに撃ち合い続けた。『黒蜥蜴』の連中は瞬く間に銀に捕らえられており、手を出すこともままならない。銀の刃は中原を切り裂き、血を流させた。中原の拳は、Aの内側を傷つけ、幾度も血を吐かせた。
それでも、お互いに退かなかった。
新しい組織のため、己の居所を守るため。そして何より、己の矜持のために。
そうして数分間の攻防戦は、呆気なく終わりを告げた。中原の拳が、蹴りが、Aを動けなくしたのだ。
Aには起き上がる力も、異能力を発動させるだけの体力も、そしてそのための意識すら失った。完膚なきまでの敗北。元から勝ち目などありはしなかった。けれど、拮抗した戦いを見せていた。
立つか伏せるか。その差は、経験の差と同義である。
自身もぼろぼろになった中原は己の血をぬぐい、探偵社の少女を一瞥した。放っておけばどうせ死ぬ。わかりきっていた。
しかし、彼が予想できなかったことは、あまりにも致命的だった。
「やあ中也。所で、そこに寝ているのは、私の可愛い後輩かな？」
目を据えて微笑む、嘗ての相棒がいることは。
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明けました、おめでとうございます。
弥生です。
更新が大変遅くなり、申し訳ありませんでした。
そして2017年。記念すべき受験生となってしまいました。学校の人達は後一年でセンターだとプレッシャーをくれやがります。
大学受験が後一年で訪れます。ですので、更新速度の低下を受け入れて頂ければ幸いです。また模試か、また試験かと思って頂きたいです。
弥生
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にゃんこ - 続き楽しみにしてます！ (2020年12月7日 17時) (
レス) id: 8ee5d457df (このIDを非表示/違反報告)
アストライア(プロフ) - 待ってました(^^) 後、前から言おうと思ってたのですが....福沢社長の漢字がところどころ間違われています。 (2020年2月13日 1時) (レス) id: c9fa56c96c (このIDを非表示/違反報告)
いまづき(プロフ) - 早く続きが読みたいですね！ (2018年10月31日 18時) (レス) id: 14b35c0538 (このIDを非表示/違反報告)
あやとり - 気になったのですが1割ってだいぶ異能力持ってますよね？10人に一人は持ってる……多くないですか？ (2018年1月31日 16時) (レス) id: bfcb2a7bd0 (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 頑張って下さい！ (2017年4月22日 0時) (レス) id: 4006643cac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 x他1人 | 作成日時：2016年7月28日 1時
