薄桜鬼~見つめるもの~ (ページ43)

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弐拾伍ページ43

蒼海 side

あーあ。

ちょっとだけ、期待してたのに。

なのに、どうやら土方も《捕まった》らしい。

僕の血に.......。

僕自身の顔とかそういうのは、大した魅力もないはずなんだ。(そんなことはありません。可愛くて魅力的な容姿です。By.柚子雨)

なのに、僕には誰だって惹かれる。

それは＿＿＿龍の血の力で。

誰も《僕》のことなんか好かない。

だから僕に向けられる愛情や恋情は、全部下劣な欲。

何度穢されたか知れないこの身体はもう、誰にだって見せられないだろうな。

だからきっと僕は、無茶な戦場にばかり出ては、何度も死にかけつつ沢山の人間を殺した。

そうしないと、きっと僕は耐えられなかった。

本当は分かってるんだ。

そんなの、誤魔化しだって。

自分の思うままに生きたいと思う一方で、自らが罰される生をも望んでいることへの...

本当に自分を誇りに思っているなら、

こんな、誘うような真似はしない。

刀をぶらりと下げたままで、土方に近づく。

表面的には、捕らえてご覧と挑発するみたいに。

心では、こんな穢れた僕を、罰して欲しくて。

龍の血は誇りでも、僕自身はちっとも誇れやしないんだ。

なら全部、全部....

僕なんか、穢れてしまえばいい。

かつて、そう罵られたように。

いっそ本当に、穢れてしまえばいいんだ。

そう思って、土方の前に立って、殺気を放つ。

別の意味で追い詰められた表情の土方は、僕に向かって手を伸ばした。

ああ、やっぱり

君も同じか

期待に応えた失望と、僅かに歪んだ新たな期待

それを、

更に裏切って

『......？』

土方の左手は、何故か、僕の鼻を摘んでいた。

「...子供みてぇだな、お前は」

まるで自分に呆れたような、そんな声で言われる。

何かを言おうとするけど、結局言葉が見つからない。

黙って驚くしかない僕の唇を....

土方のそれが、塞いでいた。

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柚子雨です。

よく分からない回になりました。

私自身も、彼が何を考えているのかがわからなくなってきました。

でも頑張ります！