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さんほんめ ページ4


コン、コン

探偵社の入口からノックの音が聞こえた。
社員の人はそんなことはしないので依頼人かと思い、中島は作業を留め、扉を開けた。

そこには長い黒髪が特徴の痩せこけた少女が立っていた。

予想がかなり外れた客が来たので中島は戸惑うが少女に優しく声をかけ中に入れる。
そこへ様子を見に太宰が来たが、

「おや、お客さんかい?敦く…後は任せたよ」

太宰は少女を見た後、またソファーに腰を掛けた。

「え、ちょ、太宰さん!?」

中島は少女に少し待っててと声を掛けると太宰の方に駆け寄った。

「なんだい敦君。私は子供は苦手なのだよ。まだ十歳も満たない子だろう?
物分かりの悪い子は苦て」

「十二。」

太宰が中島に色々言い訳を言っていると何時の間にか中島達の下に来ており、そう口にした。

「…へ?」

中島は理解できずに声を漏らすと少女はまた十二、と口にする。
太宰はその少女を見るとああ、年齢ね。といった。
彼女は太宰の言った、「十歳も満たない」という発言を訂正しに来たようだった。
中島はそれに納得しながらしゃがみ、彼女に質問した。


「君、お名前は?」

「…」

少女は首を横に振った。

「分からないの?」

「…言えない」


か細い声でそう言った少女はうつむく。
流石に子ども相手に無理に言うのは気が引けたので敦はそっか。と返した。


「じゃあなんて呼べばいいかな?」

「…なんでもいい。」


彼女のその返答に中島はまた戸惑った。
どうすればいいでしょうか、という目線を太宰に送ると太宰はしょうがないという風に溜息を吐いた。
幸せが逃げるといったのはどこの誰だ。と、中島は思う。

「なんでも呼んでいいのだね?じゃあ君は 白 だ。しろと書いてハク。これでいい?」


まだ少し冷たさが残っている太宰の発言に彼女はコクリと頷いた。







よんほんめ→←にほんめ



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リミッター - リンゴパイさん» そうだったり、そうではなかったり………。まぁ最後にネタバレしますので( ̄b ̄)シーッ!ですよ!更新遅れてすみません (2018年2月13日 1時) (レス) id: 9fd12a0005 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴパイ(プロフ) - ネタバレになっちゃったらすみません・・・あの、タイトルの「クレヨン」ってもしかして都市伝説のあの話と関係ありますか? (2017年12月30日 22時) (レス) id: 9d3c52a380 (このIDを非表示/違反報告)
リミッター(プロフ) - 恋してるさん» わぁぁぁっお褒め頂きありがとうございます!!更新は気紛れですが、気長に待ってくれると嬉しいです(*^^*)やる気が出てくるコメントを有難うございました! (2017年11月22日 0時) (レス) id: b30cf0e1ca (このIDを非表示/違反報告)
恋してる(プロフ) - 凄く素敵な文章で、話も私好みなのでこの作品好きなりました!更新頑張ってください!待ってます。 (2017年11月20日 0時) (レス) id: c36e1fb932 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リミッター x他1人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年7月27日 18時

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