さんじゅう。 ページ31
30.Aside
いつもなら何かしら先輩から来るLINEが来なくて
不思議に思いながらいつも通りゆいとお昼を食べてたら。
「えっとなんかイケメンの3年の人がAを呼んでる」
と言われ
教室の前の扉を見ると
先輩がひらひらと手を振っていた
「えっと…朝はごめんなさい」
普段学校では部活と帰り以外あんまり会わない先輩が私を呼ぶには
何か理由があるとは思ったけど
取り敢えず朝のことを謝っておこうと思ったら。
「ここじゃちょっと話しにくいから」
そう言って手を引かれたまま
体育館にあるバレー部の部室まで連れて行かれた
「えっと、先輩いきなりどうしたんですか…？」
「それを言いたいのは俺の方だよ」
そこで先輩は初めて振り返って聞いた
「今日朝、誰と学校来たの？」
「えっ」
「正直に答えて、
隠しごとするの、嫌いだよ？」
「…悠真、と」
「だよね、
俺より
悠真の方が大切？」
だよね、って
なんで知ってるんだろう、って一瞬思ったけど
聞けるような雰囲気じゃなかった、
「ちっ、ちがそれは違うそんなことないそんなことあるわけない」
「…でもそう言われても仕方なくない？」
「……
悠真が、大切な話があるから、って言うから
何かなと思って、あれから気まずかったし
仲直りもしたいな、って思って」
「…ふーん、そっか
やっぱりAちゃん無防備過ぎるよ、
今度から気を付けてね？」
そう言うと先輩は今までの冷たい空気が嘘だったみたいに
いつもの雰囲気に戻って
「授業始まっちゃうし
教室まで送ってくよ」
って言って笑った、
教室まで歩きながら先輩は部活の話とか色々してくれた、けど
私は
腑に落ちない気持ちと
先輩を傷付けたというとてつもない申し訳なさでいっぱいだった、
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作者名：佐々羅 夜々 | 作成日時：2018年2月14日 18時
