第4話 再 ページ5
A「すみませ____あ」
人にぶつかったと気付き、Aは咄嗟に謝ろうとした。
だがその相手はなんと、先日LBXバトルでこてんぱんにしたLBXプレイヤーだったのだ。
名前は確か…
A「仙田だっけ?」
仙道「仙道だよ!間違えるんじゃない!」
そう、相手は『箱の中の魔術師』の異名を持つ仙道ダイキ。
きっかけは些細なこと、店で揉め事をしていたから、注意したらバトルをする羽目になったのだ。
ああ、仙道の喧嘩相手の名前が『郷田』とか言ったっけ、とAは思い出しながら「ごめんね」と笑みを浮かべた。
A「今日は郷田と一緒じゃないんだ」
仙道「なんでアイツと一緒に居なきゃいけねぇんだよ!ったく…」
溜息を吐いた仙道をクスクスと笑うA。
一度バトルに負けた相手だからなのか、犬猿の仲の郷田の話を出されたからなのか、腹を立てた仙道は眉を顰める。
仙道「お前な…」
A「ありゃ、またバトルするの?」
仙道「いや、いい」
いつもならばバトルを仕掛けてやった所だが、仙道は再度バトルを申し込む気にはなれなかった。
一度敗北した、なら再挑戦すれば済む話なのだが、いかんせんそうにはいかない。
何故なら先日のバトルは、完全にAの圧勝で、しかもそれが覆すのが困難な結果だったからだ。
郷田と二人掛かりだった、息はぴったりと言えなくも無かった、いつもの敵なら追い詰められたはずだった____
でも、負けた。
あの時のAの目を、仙道は未だ覚えている。
自分を、道に落ちた石ころ程にも感じていない様なあの目線、バトルが終わった後の「ありがとうございました」の一言。
年下にあんなに無惨に負けるなんて____仙道は彼ら以外の人間に負けるつもりは無かったので、非常に悔しくて、でも向き合うと敗北を確信してしまうが故に、歯痒い。
何よりあの時、Aを占うつもりで軽く引いたタロットカードが、the fool『愚者』の正位置だった時は少し息を呑んだ。
『自由で型にはまらない才能』
『人に悟られない仮面』
____何か強大な秘密を隠していると、仙道はすぐに悟った。
そして思った、『簡単に踏み込んでいい相手じゃない____』と。
A「おーい、目の前で考え事されるとつまらないんだけど」
Aはジトリ、とした目で仙道を睨んだ。
仙道はハッ、としてすぐに返事を返す。
仙道「…悪い」
煮え切らない仙道の返事に、Aはむっと唇を尖らた。
A「じゃあ、バトルしよう!」
仙道「断る」
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みー - 2話目で読むのを諦めたんご(´^ω^`)ブフォwww (2021年8月4日 14時) (レス) id: 15862b0694 (このIDを非表示/違反報告)
コーヒー - 頑張ってくださいー (2017年4月3日 17時) (レス) id: ca4399799d (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - はい! (2016年6月19日 18時) (レス) id: f2f8d35ee4 (このIDを非表示/違反報告)
美城(プロフ) - 個人的に禁書もダンボール戦機も好きなので俺得作品です!更新頑張ってください!(≧∇≦) (2016年6月19日 18時) (レス) id: 57dd72d581 (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - ヒロってけっこうぬけてる?かな?でもそこが面白くて好きです^^*更新頑張って! (2016年4月27日 22時) (レス) id: f2f8d35ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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