第30話 ページ31
やや神経が過敏になっていたAが、手刀を振るいながら振り向くと、そこにはヒロが立っていた。
ヒロ「うわぁっ！」
手刀はヒロの首に当たる寸前で、ピタリと止まる。
するとヒロは安心して、ほっと胸を撫で下ろした。
ヒロ「びっくりした…Aさん、どうしたんですか？」
A「ごめん、ちょっとお水飲みに行こうと思って」
「少年こそどうしたの？」とAが聞けば、ヒロはえへへ、と苦笑いを浮かべる。
ヒロ「明日が楽しみで寝付けなくて…今ちょっとキッチン行ってたんです。あ、お水でしたら、これ差し上げますよ！」
そう言ってヒロは、手に持っていたペットボトルを差し出した。
A「え、でもこれ、少年が飲むんじゃ…」
ヒロ「大丈夫ですよ！いいからどうぞ！」
ぐいぐいと半ば無理矢理渡されたペットボトルを、Aが少し掴むと、ばっ、とヒロはペットボトルから手を離した。
冷たいペットボトルの感触に、思わずぱちくりと瞬きをする。
A「ああ、ありがとう。ごめんね」
「また何かお礼するよ」とAが言うと、ヒロはぶんぶんと首と手を横に振った。
ヒロ「良いんです良いんです！人助けがヒーローの役目ですから！」
そう告げたヒロなりの優しさだと気付いたAは、頷いて素直にそれに甘える。
A(良い子だなぁ…)
やっぱり今度お礼しなきゃ、と思いつつ、Aは冷たいペットボトルを胸元でぎゅっと握り締めた。
そしてにこ、と精一杯の誠意を込めて微笑んだ。
A「ありがと」
ヒロ「！やっ、あのっ、そんな大したことしてませんからぁぁぁぁっ！」
そう叫びながら、ヒロはどこかへ走り去って行く。
その様子にAは少し首を傾げてから、まぁいいかと部屋に戻った。
それからペットボトルを開き、口に水を少しだけ流し込む。
触った時よりも冷たいその水に、思わず頭まで冷えてしまいそうだ。
ペットボトルから口を離し、Aは少し口元を拭う。
時計を見れば、もう12時____…
A(明日は、アルテミスだ)
嫌な過去はさっさと振り切って、戦い抜いてやるんだ。
そして大統領の暗殺も阻止する。
____その意思を固める様に、Aはきつくペットボトルのキャップを閉めた。
…
因みに、逃げてしまったヒロはと言うと。
ヒロ(あんな笑顔に見合う程のことやってませんよ…)
ただののろけだった。
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みー - 2話目で読むのを諦めたんご(´^ω^｀)ﾌﾞﾌｫwww (2021年8月4日 14時) (
レス) id: 15862b0694 (このIDを非表示/違反報告)
コーヒー - 頑張ってくださいー (2017年4月3日 17時) (レス) id: ca4399799d (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - はい！ (2016年6月19日 18時) (レス) id: f2f8d35ee4 (このIDを非表示/違反報告)
美城(プロフ) - 個人的に禁書もダンボール戦機も好きなので俺得作品です！更新頑張ってください！（≧∇≦） (2016年6月19日 18時) (レス) id: 57dd72d581 (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - ヒロってけっこうぬけてる？かな？でもそこが面白くて好きです^^*更新頑張って！ (2016年4月27日 22時) (レス) id: f2f8d35ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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