第25話 ページ26
結局その日は四人で、LBX巡りをして過ごした。
LBXの部品を買ったりしてAは大変ご満悦な様子、他の三人も満更でないほど、楽しんだ。
A「これでアルテミスでのメンテも困らないね」
バン「替えのパーツがあるのは大事だからな」
バンは昨年のアルテミスを懐かしむようにそう答える。
ラン「アルテミス楽しみだなー!」
興奮を隠しきれない様子で、ランはそう言った。
A「ちゃんと勝てるように頑張んなきゃね」
ぐっと小さく拳を握って、根気付けるようにAはそう告げる。
ヒロ「…」
そんな何気無い会話をするAを、ヒロはぼーっと眺めていた。
Aの白髪が夕日に染まり、綺麗な色合いに輝いている。
ヒロ(綺麗だな…___って、何見てるんだ!?)
はっとしてぶんぶんと顔を横に振り、ヒロはAから目を逸らした。
だがすぐにAに見惚れては、またぶんぶんと顔を逸らす。
それを暫し繰り返して、ヒロは自分の顔に手を当てた。
その頰はじんわりと熱を帯びており、昨日からそれが続くヒロは、酷く戸惑う。
ヒロ(なんでこんなこと___)
必死に要因を探るヒロの肩を、Aがとん、と叩いた。
A「少年、聞いてる?」
心配げな瞳で覗き込んできたAに、ヒロの心臓がどきりと跳ねる。
ヒロ「はいっ!えっと、何の話でしたっけ!?」
かなりオーバーなリアクションを取ったヒロに、思わずAは吹き出した。
A「あはは、やっぱり聞いてなかったの」
ヒロ「あ、すみません…」
「別にいいよ」とAは優しく微笑んで、すぐまた前を向く。
A「深海魚について話してたでしょ?」
ヒロ「え?深海魚!?」
LBXからどうやって深海魚まで話を持って行ったんだ、とヒロは混乱する。
バン「そんな話してないよ!」
すかさず入ったバンのツッコミに、ヒロは胸を撫で下ろした。
A「チッ、ばれたか…」
ヒロ「いや嘘吐く必要性ありませんよね!?」
当たり前だ、どんなマジカルバナナをしたらそうなる。
ラン「でもヒロ、何考えてたの?」
ランにそう聞かれ、ギクリとヒロは肩を揺らした。
ヒロ「い、いや別に、他愛ない事ですよ」
まさかAに見惚れていたなんて言えまい、まだ出会って1日なのに。
A「へぇ、そうなんだ」
特に興味も示さずそう言ったAだが、余裕そうなその表情に、本当は見抜いてるんじゃないかとヒロは思う。
でも本当に、ヒロはどうしてAに見惚れていたかわからなかった。
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みー - 2話目で読むのを諦めたんご(´^ω^`)ブフォwww (2021年8月4日 14時) (レス) id: 15862b0694 (このIDを非表示/違反報告)
コーヒー - 頑張ってくださいー (2017年4月3日 17時) (レス) id: ca4399799d (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - はい! (2016年6月19日 18時) (レス) id: f2f8d35ee4 (このIDを非表示/違反報告)
美城(プロフ) - 個人的に禁書もダンボール戦機も好きなので俺得作品です!更新頑張ってください!(≧∇≦) (2016年6月19日 18時) (レス) id: 57dd72d581 (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - ヒロってけっこうぬけてる?かな?でもそこが面白くて好きです^^*更新頑張って! (2016年4月27日 22時) (レス) id: f2f8d35ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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