第24話 ページ25
昼食を終え、午後は自由となった。
Aは少し俯いて、それから外に向かう。
ラン「出掛けるの?」
A「うん、ちょっと行ってくる」
にこ、と軽く笑って、Aは外に出た。
そして溜息を吐く。
A(1日過ごしてわかったけど、すごいお人好しな人達だなぁ…)
そう思いながら、Aは空に向かって手を伸ばした。
広がる青に、被さる白い雲が、強い日差しを少しだけ遮っている。
A(あの人達なら、或いは…)
Aは目を細め、暫し思考に委ねた。
だが首を横に振り、手を下げる。
そして、再度ため息を吐いた。
A(____やめよう、仕方の無い事を考えるのは)
そもそもNICSに入ってテロと戦うと決めた時点で、グローバル過ぎる話に、片足どころか頭の先まですっかり突っ込んでいる。
もう決めたことだ、とAは雑念を払うように前を向き、歩き始めた。
それから昨日のことを、じっくりと思い出す。
A(パラダイスにどうしてオメガダインが関わってるの?…まさか)
Aは悶々と、オメガダインへ思考を移した。
オメガダインとAは、ただならない因縁みたいなものがある。
Aが知る限り、オメガダインは人を人とも思わない、悪徳会社であった。
表向きに『オメガくん』なんてゆるキャラ(中身は中年男性である)を設置して、穏やかな会社を装っていても、Aにとっては悪いイメージしかない。
だからどうせまた、良からぬことを企んでいるのだと思った。
なんにしろ確認すればいい話だが、NICSに入ったばかりで不審な行動を取れば、信頼を失うのがオチである。
A(あの人達とは、純粋に、真っ当に関わりたい)
そう思ったAは三度目の溜息を吐くと、くるりと後ろを向いた。
A「三人共、一緒に出掛けたいならそう言ってよね」
ラン「あ、ばれた」
物陰から、ヒロ、バン、ランが顔を出す。
ヒロ「だから言ったじゃないですか、ちゃんと言った方が良いって」
ラン「だってー!」
言い合いを始めた2人に、Aはあはは、と笑みをこぼした。
バン「まぁまぁ。ごめんねA」
バンは2人の仲裁に入り、Aに申し訳無さそうに謝る。
A「いいよ別に。今丁度予定が消えたところなの。四人でどこか行こうか」
Aがそう言えば、ヒロとランは言い合いを辞め、きらきらと顔を輝かせた。
ヒロ「いいですね!」
ラン「私も行きたい!」
同意した2人を見て、Aとバンは、顔を見合わせて笑った。
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みー - 2話目で読むのを諦めたんご(´^ω^`)ブフォwww (2021年8月4日 14時) (レス) id: 15862b0694 (このIDを非表示/違反報告)
コーヒー - 頑張ってくださいー (2017年4月3日 17時) (レス) id: ca4399799d (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - はい! (2016年6月19日 18時) (レス) id: f2f8d35ee4 (このIDを非表示/違反報告)
美城(プロフ) - 個人的に禁書もダンボール戦機も好きなので俺得作品です!更新頑張ってください!(≧∇≦) (2016年6月19日 18時) (レス) id: 57dd72d581 (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - ヒロってけっこうぬけてる?かな?でもそこが面白くて好きです^^*更新頑張って! (2016年4月27日 22時) (レス) id: f2f8d35ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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