第19話 ページ20
すると、背後から誰かが駆け寄ってくる音が聞こえた。
ヒロ「Aさん!おはようございます!」
Aはゆっくりと振り返ると、ヒロは嬉しそうに声を上げる。
A「おはよう少年。意外に朝早いんだね」
ヒロ「いや、ちょっと考え事をしてて…」
「っていうかやっぱり少年呼びなんですね…」とヒロは肩を落とす。
ヒロの目元に目を向ければ、薄く、小さな隈が出来ていた。
Aはそれに気付き、眠りが浅かったのだと察する。
A「少年も大変だね」
ヒロ「はい、そうなんです」
元はと言えば元凶はAなのだが、そんな事を知らないAは普通に励ました。
ヒロもそれに気付かず、普通に慰められる。
A「まだ早いし、二度寝したら?」
Aがそう提案するも、ヒロはそれが叶わないらしい。
ヒロ「そうなんですけど、目が冴えちゃって…」
ごしごしと瞼を擦って、ヒロはそう告げる。
眠いなら寝たほうが良いのに、どれだけ悩んでるんだろうとAは思った。
ヒロ「所でAさん、朝早いんですね」
A「うん、そう言う癖が付いてて…ショートスリーパーなんだよね」
Aはあはは、と苦笑う。
ヒロは一瞬ショートスリーパーが何か、頭が回らなかったが、直ぐに意味に気付くと「ああ!」と声を上げた。
ヒロ「かっこいいですね!短い睡眠で直ぐに疲れが取れちゃうなんて!」
A「えぇ?楽って言ったら楽だけど、やる事がないと暇なんだよね」
そう言ってAは空を仰ぐと、息を吐く。
A「ダックシャトルって家事やらないで良いから…今も暇だし」
ヒロ「あっ、だったら!」
人差し指を立てて、ヒロはAに提案をした。
ヒロ「お話しませんか?僕もっとAさんの事、知りたいです!」
A「…うん、いいよ」
Aが返事をすると、ヒロは「やった!」と喜ぶ。
A「その代わり、少年の事も教えてね?」
Aは、早朝の肌寒さも手伝って、ほんのりと赤く染まった頰で、そう微笑んだ。
ヒロ「っ…はい!」
一瞬どきりと胸が高鳴ったのを感じながら、ヒロはAに笑い返す。
そして高鳴る鼓動と熱を増す頬に少し戸惑いながら、Aの横に並んだ。
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みー - 2話目で読むのを諦めたんご(´^ω^`)ブフォwww (2021年8月4日 14時) (レス) id: 15862b0694 (このIDを非表示/違反報告)
コーヒー - 頑張ってくださいー (2017年4月3日 17時) (レス) id: ca4399799d (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - はい! (2016年6月19日 18時) (レス) id: f2f8d35ee4 (このIDを非表示/違反報告)
美城(プロフ) - 個人的に禁書もダンボール戦機も好きなので俺得作品です!更新頑張ってください!(≧∇≦) (2016年6月19日 18時) (レス) id: 57dd72d581 (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - ヒロってけっこうぬけてる?かな?でもそこが面白くて好きです^^*更新頑張って! (2016年4月27日 22時) (レス) id: f2f8d35ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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