170:少女、贈呈 ページ50
つう、と指先で触れてみる。滑らかな革が肌を刺激し、呆然とする感覚を起こす。
『すごいっ…すごい素敵!これ全部先生の…、はッ!実は拷問具とか!?』
「ン゙フッ、…予想的中」
『ベルトもある!』
「軽量化してあるから安心して。あとここ、トップボタンのパールにね
カルエゴ先生の保護魔力が込められてます」
『ッ?!』
突然登場した名前に思わず箱の蓋を落とす。予想していたかのように拾う先生。
「高位魔力の方が効果あるから。カルエゴ先生、位階8でしょ」
『なっ、なるほど!』
騒がしい心臓を箱ごと押さえつけた。マーチ先生が私の為に…カルエゴ先生と。
『〜〜ッ…!』
鼓動に耐えきれずその場に屈む。目頭と同じくらい手のひらが熱い。
「…A、それらは”しるし”だよ。
君がバビルスの生徒で”問題児”だという目印だ。この意味わかるね?」
『!…はい!』
「可愛い俺の、一番弟子。
期待してるよ―――A。」
▷▶︎▷
『―――カルエゴ先生っ!』
「なんだ騒々し…ぃ゙?!」
走ってきた勢いのまま飛びつけば、カルエゴ先生がぎょっとして私を見下ろす。引き剥がされないのをいいことに腕の力を強めた。
「何かあったのか?!」
『マーチ先生から、受け取りました!』
「…それでそのテンションか」
吃驚させるなと言いつつ、頭を撫でる先生の手は優しい。
『ありがとうございます…っ!毎日大事に着けますね!』
「ああ…だが無茶はするなよ。お前には誰がついているのか忘れるな」
『はいっ!あの、早速着けたんです!どうですか?』
スカートの裾を少し捲ると、先生の顔が赤色に歪み
「な゙…!どこに着けとるんだッ!」
『え?マーチ先生が見えにくいとこにって…ベルトのサイズもここで丁度良くて』
「いいかA、絶対に!見られるなよ!」
『は、はい…っ』
その剣幕に何度も頷く。顰められた瞳は私の右手中指に移って
「それはライム先生からか」
『正確には、アムリリス様からみたいで。クララとアズくんとエリザちゃんの4人でお揃いです!』
「なんだその組み合わせ」
先生の表情が更に険しくなる。すると唐突に私の左手の薬指を擦り、
「ここは俺が嵌めるまで空けておけ」
『…へぁ、』
酷く間抜けな声が出た。上昇していく体温。体のどこかに汗が伝う。そんな私の様子に目の前の教師…否、恋人は、愉快そうに笑みを浮かべて
「その調子でもっと俺に溺れていろ。…期待してるぞ?A。」
なんとも悪魔らしい、甘い誘惑を囁いた。
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kanayamamoto112(プロフ) - 参りましょうmyGirl4でのカルエゴ先生がヒロインちゃんにアクドル大運動会で着てた衣装を着せて王の教室にある部屋の1つ仮眠室のベットで押し倒して大胆な事をしてたシーンはドキドキしました。 (2022年10月11日 13時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - カエデさん» コメントありがとうございます!このカルエゴ先生を見れるのは彼女の特権ですね!キャラ崩壊しすぎないよう先生には気をつけてもらわねば…!(ブーメラン) (2021年8月16日 15時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - ルカさん» ご名答ですッ!うちのカルエゴ先生は拗らせに拗らせてるのでいつか爆発させるときをそれはもうにやにやしながら進めています…やばいこと…されましょうね……! (2021年8月16日 10時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - カルエゴ先生いつもは「厳粛」なのに最近は何か少し可愛い感じが!←語彙力よ 続きも楽しみにしてます! (2021年8月15日 8時) (レス) id: d16705dd13 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - キスから見るにカルエゴ先生いろいろ拗らせてそうですごくイイ。爆発したら夢主ちゃんヤバイ事になりそうだけどすごく楽しみです (2021年8月14日 17時) (レス) id: 560b2d19f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜雨 | 作成日時:2021年7月3日 18時