168:少女、共色 ページ48
『はあー…楽しかったあ』
皆と解散してから、教室に戻る前に人気のない校舎裏へ足を進める。エリザちゃんがライム先生に教わったチェルーシルの応用魔術。そうっと指先を髪に向け、あの場では試さずにいた色を思い浮かべ
『―――チェルコ』
取り出した手鏡で確認した姿は、
「なにをしとるんだ」
『びゃあｯｯ？！』
驚いた手から飛び出した鏡が拾われた。なんで、よりによって。
『か、カルエゴ先生っ…！』
「…お前、それ、」
『ちちちちちが！ま、魔術のッ！練習で！！』
「ほォ…」
先生が地面に座り込む私の髪をひと房手に取った。じり、と奥へ追いやられる。
「こんなところでコソコソ何をしているのかと思えば…。
俺と同じ髪色にしたかったのか？」
『っ…！！』
薄く弧を描いた唇が、濃紫色に変化させた私の髪に寄せられた。頭のてっぺんから毛先まで染まったそれを愉しげに指で弄ぶカルエゴ先生。
『(誰にも見られないように、ここまで移動したのに…！)ちがいますこれはロノウェ先輩とおなじにしようとおもって、』
「それが本当なら俺はまたお前に仕置をすることになるが『すみません誤報ですカルエゴ先生とお揃いにしてみたかったですッ！』最初からそう言え」
勝ち誇ったように口元を吊り上げた先生が隣に座る。その体温に頬が緩むのを我慢しつつ、反対に唇を曲げて
『なんでこんなとこ通るんですか。』
「師団室から出てくるお前の後ろ姿が見えた。何してたんだ」
『女子会第2弾を。楽しかったです！』
「2回目なのか、そのアホそうな会…」
『む。アホじゃないですよ、大事な勉強会ですもん。先生は主にエリザちゃんで…、
そうだ！カルエゴ先生ちょっとこっち向いてくださいっ』
「は？」
不審そうに、けれどすぐに応えてくれるカルエゴ先生に今度こそ頬が緩みきった。…これからすることへの楽しみも滲ませて
『チェルコ！』
「なﾞ？！」
『わあ！金髪…っんﾞ、ふふっ…！』
「いい度胸だなA…！」
『あはははっ！魔術練習ですっ』
「なら手本を見せてやる！来い！」
『わﾞー！いやです！カルエゴ先生すごい色にしそう！』
「どういう印象だ、大人しく捕まれ！…お前ちょっと足速くなったな？！」
『えっホントで…ッひゃぁあ？！ずるいですそんな気の引き方！』
「はっ！追われてる最中に気を散らすからだ、アホめ！」
『ぃﾞーーｯ！』
ぐるぐる逃げ回る私とカルエゴ先生の追いかけっこは、健闘虚しく…体力の限界を迎えた私が捕獲され、幕を閉じた。
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kanayamamoto112(プロフ) - 参りましょうmyGirl4でのカルエゴ先生がヒロインちゃんにアクドル大運動会で着てた衣装を着せて王の教室にある部屋の1つ仮眠室のベットで押し倒して大胆な事をしてたシーンはドキドキしました。 (2022年10月11日 13時) (
レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - カエデさん» コメントありがとうございます！このカルエゴ先生を見れるのは彼女の特権ですね！キャラ崩壊しすぎないよう先生には気をつけてもらわねば…！(ブーメラン) (2021年8月16日 15時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - ルカさん» ご名答ですッ！うちのカルエゴ先生は拗らせに拗らせてるのでいつか爆発させるときをそれはもうにやにやしながら進めています…やばいこと…されましょうね……！ (2021年8月16日 10時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - カルエゴ先生いつもは「厳粛」なのに最近は何か少し可愛い感じが！←語彙力よ 続きも楽しみにしてます！ (2021年8月15日 8時) (レス) id: d16705dd13 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - キスから見るにカルエゴ先生いろいろ拗らせてそうですごくイイ。爆発したら夢主ちゃんヤバイ事になりそうだけどすごく楽しみです (2021年8月14日 17時) (レス) id: 560b2d19f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜雨 | 作成日時：2021年7月3日 18時
