163:少女、晩晴 ページ41
家庭訪問の記憶を頼りに外からAの部屋を探す。
ひとつの部屋に目星をつけ覗くと布団がこんもり膨らんでいた。間違いないなと薄く開いていた窓から片足を侵入させた時
『きらい…っ』
ス魔ホが放られる。未だ自分には返さずにいる、それを。
途端に足元がぐらついた。喉元が狭まり、どこか分からない場所がずくりと痛む。
これではまるで衝動的な子供の癇癪だ。あまりに愚直で、滑稽で、けれど俺の今すべてを表す願い。
―――俺はいつだって、お前からの愛が欲しい。
感情を発散させるみたく泣くAは、只管に俺への愛を叫ぶようで。こんなにも心を揺さぶるのはこの魔界にただ1人しかいない。
「俺のことが…知りたいと」
腕の中で俯いたままのAは少し躊躇ってから首を横に振る。
『教えてもらっても…っ返せない、から』
それは公平でないと言ういじらしい唇を、つい塞ごうとして留まる。…多分、今は駄目だ。
どんな言葉であればお前に伝わるのか。
どんな魔法を使えば、お前のその涙が晴れる？
頭をフル回転させること数十秒。そうして漸く…否、答えはとうに理解っていたのだろうが
「―――――好きだ」
愛しい、柔い髪が肌を擽った。
「…好きだ。これ以上ないほど…俺が唯一愛したのはAだけだし、それはこれから先も決して変わらん」
俺としては十二分に伝えていたつもりだったんだが。
やはり恋愛ごとは厄介だと思いつつ、しかしAの為なら、それもまあいいかと呑み込む。
「大人らしくだとか似合いだとか、お前が俺とのことで頭を悩ませるのは結構だが…その所為で塞ぎ泣いて無視されては困る。
溜め込んでこうなる前に話せ。言葉で伝えるのが難しければ文でもなんでもいい、…俺に教えてくれ」
よくも余計なことをという苛立ちとよくやったという思いが鬩ぎ合うなか、茹で上がった耳に愛を囁く。恥じらいを噛んだ唇がやっと俺に向いて
「お前はお前でいい。A」
今度こそ、深く口づけた。
▷▶︎▷
『ぁ、の…先生、体とか…』
尚もベッドの上で私を抱き締めているカルエゴ先生を見上げ恐る恐る切り出す。すると、さも平然と
「お前の体質のことなら知ってるぞ」
『え？！』
「俺も最初は注意してたが、…この程度なら日頃から我慢してるしな」
『…？』
薄い唇が弧を描く。
「お前に触れる度、…”そういう気”になっているということだ」
『…。
なﾞ！？』
「ふ、阿呆め」
再び熱が上昇した私は、慌てて先生の服に隠れたのだった。
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kanayamamoto112(プロフ) - 参りましょうmyGirl4でのカルエゴ先生がヒロインちゃんにアクドル大運動会で着てた衣装を着せて王の教室にある部屋の1つ仮眠室のベットで押し倒して大胆な事をしてたシーンはドキドキしました。 (2022年10月11日 13時) (
レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - カエデさん» コメントありがとうございます！このカルエゴ先生を見れるのは彼女の特権ですね！キャラ崩壊しすぎないよう先生には気をつけてもらわねば…！(ブーメラン) (2021年8月16日 15時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - ルカさん» ご名答ですッ！うちのカルエゴ先生は拗らせに拗らせてるのでいつか爆発させるときをそれはもうにやにやしながら進めています…やばいこと…されましょうね……！ (2021年8月16日 10時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - カルエゴ先生いつもは「厳粛」なのに最近は何か少し可愛い感じが！←語彙力よ 続きも楽しみにしてます！ (2021年8月15日 8時) (レス) id: d16705dd13 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - キスから見るにカルエゴ先生いろいろ拗らせてそうですごくイイ。爆発したら夢主ちゃんヤバイ事になりそうだけどすごく楽しみです (2021年8月14日 17時) (レス) id: 560b2d19f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜雨 | 作成日時：2021年7月3日 18時
