161:少女、逡巡 ページ39
潜り込んだ布団の中で、昨日の夜からずっと膠着状態の画面との睨み合い。
《体調はどうだ。》
待ち望んだひとからのメッセージはいつもの業務連絡とさして変わらなかった。
たった、この1文。十分嬉しいはずなのに、何故か返信用の言葉が打てない。
大丈夫です、明後日くらいには学校に行けます。って普通に送ればいいのに…真っ黒な雲が掛かった気分だった。払っても払ってもすぐに集まり膨らんでいく、黒くて重たい雲。
その正体を、私はとうに気づいている。
以前思ったものより汚くて恐ろしい
『…っ…、…きらい……』
嫌い。大嫌い。…もう全部がイヤだ。
そう思う度、心臓から腹部にかけて締め付ける痛みが酷くなる。まるで弱音を吐いた罰かのように。
『(もう少しだけ、後回しにしよう…あと、少しだけ。落ち着いたらちゃんとするから…)』
被っていた布団から這い出て、ス魔ホを枕元に放る。
「そんなに俺には何も言いたくないのか」
ああ、気にしすぎて幻聴さえ聞こえてきた。
今は本当にちょっと無理です。何も考えたくないんです。
まだ咳も出るし、お腹も痛いし。いろんなところがムカムカしていて
「お前は…俺のことが嫌いなのか」
嫌いなわけないじゃないですか、むしろ、
『……？』
記憶の中のあのひとは、そう簡単にこんな声を出すだろうか。
やけにリアルで、けれど真実味のない声の正体を探し、
『…………は…』
「……なんだ、その幽霊でも見たような顔は」
視界に在る、窓際に立つ黒翼の生えた悪魔。
幻聴じゃない。幻覚でもない。
そこにいるのは、
『か…
かかかカルエゴｯ…せんせいﾞっ……？！』
▷▶︎▷
「――――――返事がない。」
散々苦言を呈され漸く覚悟を決めて送った一文は、暫くして既読がついたものの…Aからの言葉は返って来ず
「寝ているんじゃない？」
「昨日の夕方から今この昼時にかけてか？」
「体調悪くて返せないとか、」
「クラスの奴らには返していた」
「…盗み聞きはどうかと思うよ」
「勝手に聞こえてきたんだｯ！」
腹の底から息を吐けば、シチロウが嫌そうに眉を寄せた。相談役なのだからもっと真剣に聞けと同じように睨み返す。
「うーん…。要はさ
血液の香りを取り込まなきゃいい…、とか」
「……シチロウ」
「何？」
「家の施錠を忘れたかもしれん」
「は？」
「HRまでには戻る」
「えッ？！」
シチロウの慌てた声をドアで遮断し、すぐに翼を広げる。…バカバカしい。
「(もう、待つのはやめだ。)」
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kanayamamoto112(プロフ) - 参りましょうmyGirl4でのカルエゴ先生がヒロインちゃんにアクドル大運動会で着てた衣装を着せて王の教室にある部屋の1つ仮眠室のベットで押し倒して大胆な事をしてたシーンはドキドキしました。 (2022年10月11日 13時) (
レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - カエデさん» コメントありがとうございます！このカルエゴ先生を見れるのは彼女の特権ですね！キャラ崩壊しすぎないよう先生には気をつけてもらわねば…！(ブーメラン) (2021年8月16日 15時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - ルカさん» ご名答ですッ！うちのカルエゴ先生は拗らせに拗らせてるのでいつか爆発させるときをそれはもうにやにやしながら進めています…やばいこと…されましょうね……！ (2021年8月16日 10時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - カルエゴ先生いつもは「厳粛」なのに最近は何か少し可愛い感じが！←語彙力よ 続きも楽しみにしてます！ (2021年8月15日 8時) (レス) id: d16705dd13 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - キスから見るにカルエゴ先生いろいろ拗らせてそうですごくイイ。爆発したら夢主ちゃんヤバイ事になりそうだけどすごく楽しみです (2021年8月14日 17時) (レス) id: 560b2d19f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜雨 | 作成日時：2021年7月3日 18時
