《魔入間》参りましょうMyGirl！4

159.5:少女、混沌 ページ37

「前回のことがあるから、Aちゃんにどう接していいかわからないの？」
「ｯ…！！」
「うわぁ！図星なんだ…！」
「違う！俺はそのっ体調が悪い時に連絡するのも負担だろうと…ｯ！」
「あー、成程。お見舞いにも行けないしMINEや電話でどう気遣っていいかわからないし、そもそも前回のことがあるから迂闊に今のAちゃんに関われないんだ。思い出したAちゃんに軽蔑されるんじゃないかって。」
「おﾞ前ﾞ！！」

容赦なく言い当てられたことへの憤りと羞恥心からか、立ち上がり僕に掴みかかろうとするカルエゴくんをじとりと目で制圧する。

「キミの免罪符なんてどうだっていいよ。今大事なのは、Aちゃんが少しでも元気になる為には誰がどうすればいいのか。でしょ」
「ぐ、ゔ、」
「Aちゃんがこういうことを自分から言えないなんて予想できることだし、早く”体調はどうか”くらい連絡してあげなよ」
「ｯﾞ……！！し、シチロウお前っ…Aが絡むと随分辛口じゃないか？！」
「そりゃあAちゃんは僕にとっても大切な子だからね」
「は？！」
「(でも…そうか、血液による催淫効果…入間くんは収穫祭の時ニギニギ草を血の一滴であの高さまで成長させたみたいだけど、男女で効果が違う…？
知ってるのは理事長とオペラ先輩、入間くんにカルエゴくんだけ…。いや、それよりも)」

”血液”が”そう”なら、

「ねえカルエゴくん。―――訊いてもいい？」

▷▶︎▷

『ごほっ、…！』

息苦しさと不快感に目を覚ます。汗で張り付いたパジャマが気持ち悪くて、今朝より痛む喉とお腹。

『(あれ…何時…？)』

視線を動かすとサイドテーブルに置かれた土鍋と薬袋、それとオペラさんの置き手紙。

”よく眠っていらっしゃったので、昼食とバラムくん特製の風邪薬と鎮痛剤を置いておきます。サリバン様と早めに帰宅しますからね”

『ぁぇなﾞ、た』

…酷い声。コップの水を流すと少しだけ楽になった喉になんとかお粥を通し薬を飲み込む。放っていたス魔ホを開くと、入間やクラスの皆からMINEが送られていた。

『…！』

私はそれを見た瞬間、嬉しい

よりも

『(ああ、いやだ…っ…)』


―――”安心”していた。

皆が気にかけてくれてることに、皆の関心が自分へ向けられていることに安心してしまった。胸を撫で下ろした。
浅ましい。卑しい。こんなのきっと親友でも友達でもいられない。こんな私は、似合わない。…だから

だからここに、

あの人からの言葉が無いの

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