157:少女、心痛 ページ34
不調というのは、どうしてこうも重なるんだろう
「やっぱり僕も残る！」
『いってらっしゃい。』
玄関でぐるんと向きを変えた入間の体を、再びぐるんと回す。
『大丈夫。ちゃんと大人しく寝てるから』
「でも、」
『お昼にはオペラさんが1度帰ってきてくれるし、前回ので大分慣れたから。ね』
「…こういう時、1人にしたくない。」
『うん。…ありがと。でも入間が休んだらアズくんとクララが寂しいよ。
あ！カムカムさんの売店で今日から発売のドーナツ食べたいな。帰りにお願いしてもいい？』
「んぐ…！」
難しい顔で玄関にしがみつく入間。おじいちゃんとおんなじポーズに笑ってしまう。今日は大事な職員会議があるらしくオペラさんに引き摺られていったけど…
「っ……！…すぐ帰ってくるから！！」
最後にぎゅうっと私を抱き締め「いってきます！」と全速力で学校に向かった入間の背を見送る。速く行っても下校時間は変わらないよ、と零しつつ、早速彼の帰りを待ち望む自分に嫌気がした。
▷▶︎▷
『けほっ』
部屋に戻りベッドの中で身を丸める。早く寝てしまいたくてきつく目を閉じた。落ち着いていた下腹部の痛みが、雑巾を絞るような締めつけに変わる。
―――――バチが当たったのかな。
「えぇっ！モモノキ先生の教育係ってカルエゴ先生だったんですか？！」
「ま、まあその、お世話に…。」
「うわぁ！カルエゴ先生が教育係とか怖すぎて無理！」
「よく続けられたね〜モモノキ先生」
「カルエゴ先生が厳しかったのは私が未熟だったからで…って、こんな話はいいの！」
「ねぇねぇ教育実習中カルエゴ先生となんかなかった？！」
「なっ？！なななないわよ！」
「あー！怪しい！さてはカルエゴ先生のこと好きとか？！」
「ちがっ、違います！憧れてるっていうだけで…、じゃなくて！先生を揶揄わないッ！」
「でもモモノキ先生なら結構いけると思うなあ〜！大人のカップルって感じでお似合いじゃない？！」
「あたし達応援するよ！」
「だからっカルエゴ先生はそういうのじゃ…！」
『…っ』
よせばいいのに。やめてしまいたいのに、話題の中心にあるその名前が私の体を縛り付けて動かさない。
ただえさえ耳元で直接囁くような話し声が更に近づく。見たくない心に反して鈍く上がる首。
私に気づかず通り過ぎる、その間際。
一瞬で視界に焼き付いた表情は
『(やだ…)』
…陰に隠れて息を潜める私は悪人だった。
『ｯ…ぃ、た…』
泣き言は、やがてシーツに染み出していく。
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kanayamamoto112(プロフ) - 参りましょうmyGirl4でのカルエゴ先生がヒロインちゃんにアクドル大運動会で着てた衣装を着せて王の教室にある部屋の1つ仮眠室のベットで押し倒して大胆な事をしてたシーンはドキドキしました。 (2022年10月11日 13時) (
レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - カエデさん» コメントありがとうございます！このカルエゴ先生を見れるのは彼女の特権ですね！キャラ崩壊しすぎないよう先生には気をつけてもらわねば…！(ブーメラン) (2021年8月16日 15時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - ルカさん» ご名答ですッ！うちのカルエゴ先生は拗らせに拗らせてるのでいつか爆発させるときをそれはもうにやにやしながら進めています…やばいこと…されましょうね……！ (2021年8月16日 10時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - カルエゴ先生いつもは「厳粛」なのに最近は何か少し可愛い感じが！←語彙力よ 続きも楽しみにしてます！ (2021年8月15日 8時) (レス) id: d16705dd13 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - キスから見るにカルエゴ先生いろいろ拗らせてそうですごくイイ。爆発したら夢主ちゃんヤバイ事になりそうだけどすごく楽しみです (2021年8月14日 17時) (レス) id: 560b2d19f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜雨 | 作成日時：2021年7月3日 18時
