《魔入間》参りましょうMyGirl！4

155.5:少女、準備 ページ32

「あっ、今自覚したん？」
「その発想がなかったのか…」
「ンﾞｯ！(かわいいなぁ！)」
「Aち先輩とか呼ばれちゃうぜ？」
『わ、私が先輩なんて…！万年後輩でいいよ！！』
「それ留年してるよA！」
「ダメだ！これじゃAちがナメられる！
パン買ってこいとか膝魔クラしろとかスリスリもふもふさせろとか言われちゃう！」
『後半なんかおかしくない？！』
「「それはダメだ！！」」
『いや言わないでしょ？！えっ、言うの？！後輩ってそんな感じなの？！』
「Aち練習するよ！Aちが先輩で私達が後輩ね！ハイ魔々ごとセット！まずは元気よく挨拶！
Aち先輩！おはざーっす！！」
『お…？！
おはっよ、う…っ、……ございます…！』
「カーット！
膝魔クラして。」
『なんで？！』
「普通に可愛いAちだったから！ほら膝出しなッ！」
『本当に後輩ってそんな感じなの？！』

▷▶︎▷

「ハァーー…。」
『結局全然わかんなかったね、先輩らしさ…』
「入間様のご威光をどう知らしめるか…」
「Aちナメられないようにしなきゃ…」

4人で大の字になって倒れ込む。周りには先輩らしさを追求して出した番長服やバラや魔ラカスやらタンバリン。(後半は確実に違うと思う)

『……先輩らしさは、まだよくわかんないけど、』

起き上がり、入間の髪についた葉っぱを摘み取る。

『来年も再来年も…その先も。

4人で一緒にいられたら、それだけできっと、きっとすっごく楽しい1年になるよね…っ』

未来を想像するのがこんなに嬉しい。遠回しに”一緒にいたい”と告白したことに、くすぐったさを感じた。

「…！うん！ずーっと一緒だよ！」
「ああ。勿論だ」
『…？、入間？』

1人なかなか起き上がらない入間を覗き込む。両手で隠した顔は緩みきっていて

「……幸せを噛み締めてた」
『締まってはなかったけど』
「A。膝魔クラしてください。」
『もう勝手に頭乗せてるじゃない』
「Aち私もー！入間ちの横ゲットー！」
「いだっ？！」
「へっへーい！アズアズ負けー！」
「なッ？！ぐ、う…！
…！ふっ、アホクララめ。ならば私は隣に座るまで！」
「なにぉう？！」
『あっ。アズくんさっき炎出してたから暖かいね』
「Aち！暖炉出す？！」
『も、燃えちゃうから今は大丈夫かな…』

陽射しの温かさと膝のうえの2つの体温。それから右隣の程よい重みと熱に…ゆっくりと船を漕いだ。

夢のなかでも、こんな風に4人で笑い合っていることを願いながら。

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