《魔入間》参りましょうMyGirl！4

146.5:教師、回想 ページ19

自分に初めて恋を教えた女は自分より遥かに年下で、しかも生徒だった。…もっといえば嫌いな奴らの身内だった。
いつも何かに怯え、臆病で。座学は得意だが運動が壊滅的。大人しく、言われたことは粛々と熟すがすぐに面倒事に巻き込まれる手の掛かる奴で、…そして

誰かの為に自分を犠牲にする少女。

約6時間の大武闘会。収穫祭や音楽祭で見たものとはまた別のAの表情。
一体いつの間に魔具の応用変化を考えて、いつの間にトランペットを学んだのか

「(嗚呼、…頼むから)」

知らないうちに成長していくお前を見逃したくなくて、その隣を願い焦がれた。
どうかひとりで行くな。変に気を遣って誰にも…俺を頼らずに行ってしまうな。

呪いにも似た稚拙な願いを込めてAの肌にキスを落としていく。触れる度に、擽ったいのだろう、ちいさく声を漏らすAにみっともない程の欲が膨らんだ。

その肌を簡単に見せられんようにと紅い華を散らす。俺の動き一つひとつに反応するAが愛おしくて仕方がない。

『あのっ…、せんせ…ｯこれっ、は、恥ずか…しｯ…！』
「なら先程のアクドルの復習に戻るか？」
『んｯ、！ひゃっ、ぁ、…！』

俺だって必死なんだ。今すぐにでもお前を愛しぬきたいと、唇を重ねる度に情欲に苛まれている。

『ｯ、あ！』

今度は内腿に吸い付き、甘噛みをした。びくんとAの身体が跳ねる。顔を離しAの様子を窺えば、耳まで赤くした顔に薄ら汗を滲ませ、恥ずかしさから零したであろう涙が伝っていた。
ふるふると小動物のように震える身体には、自分がつけた所有物のマークがありありと刻まれていて

「ああ…、…堪らんな、これは……ｯ…」

生唾を飲み込んだ。喉仏が動く。
今お前の瞳に俺はどう映っているのだろう。
厳粛な教師からかけ離れた、ただの独占欲の化身を。お前は嫌うだろうか。

アンクレットが光る足首に最後の華を咲かせ終え、ぐったりとシーツにしがみつくAの唇を塞ぎ囁く。

「これに懲りたら、俺に黙ってアクドル活動などするなよ」
『はｯ…ぁ、ぃ…』

お前が魅了するのなんざ、俺だけで十分だ。

▷▶︎▷

「さて、次はトランペットか」
『？！』
「お前の為に魔ーケストラを見損ねたんだ。代わりに特訓してやる」
『いえあの今後吹く機会はな「A。勘違いしているようだが…仕置はまだ終わってないぞ」ひ？！』
「アクドルは楽しませるのが仕事だろう？…イヴ。」
『も…もうアクドルは引退しま、
ｯ―――――！』

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