Recipe:10-6 ページ37
「俺、漸くわかりました。Aさんが尾花さんを尊敬してる理由」
皆が綺麗に平らげたお皿を洗いながら、芹田くんは嬉しそうに、そして恥ずかしそうに言う
「自分で考えて、自分で行動して。そうやって、本物になっていくしかないんだって。なんかほんと、今までの自分が恥ずかしいな」
『…その自分があるから、気づけたんだよ。見つかってよかったじゃない』
「…すんませんでした。いろいろ…レシピのことも」
『まあ、悪いことってさ、そう上手くはいかないよ』
「え？」
『こっちの話。よし、片付け終了！帰ろっか』
「…うす！」
仕込みや戸締りの最終チェックをして、芹田くんとお店のシャッターを下ろす
「あ、Aさん俺送り「A」うおっ？！」
『ナツさん？！うわっ、え、どこから出てきたんですか』
突然声がしたと思いきや、私と芹田くんの真後ろにナツさんが立っていた。前にもこんなことあった気がする。ナツさん、前世が忍びかなにかだったんですか？
「…あっ！俺寄るとこあるんでした！じゃあまた明後日！お疲れ様です！」
『え？うん？お疲れ様…』
言い終わる頃には、芹田くんの後ろ姿は随分遠くなっていた。そんなに大事な用だったのかな
「行くぞ」
『へあっ』
ナツさんに左手を掴まれて、はっとした。何、この状況。
『ちょ…ナツさん？！どうしたんですか。いや、皆と帰りましたよね？手…っ、離してください、これ…っ』
「右手首。どうした」
『！』
足が止まって、ナツさんが振り向く。…嘘をついて辞めようとした時とは違う、それよりもっと、怒った顔。
『あ…荷造り、してたら、捻っちゃ「嘘だな」ほ、ほんとです！』
「だとしたら京野が知ってるはずだ。それにお前が言ったろ。荷造りするほど荷物もないって。
…誰だ」
頭の中がぐるぐると回る。言わない方がいい、そもそもなんでナツさんがそんなことを聞くのか、なんでバレたのか。でも、言わなきゃこの目から逃れられない。違う、でも、多分ナツさんはもう、気づいている。
『っ…』
声は発せられることなく、少し冷たい空気に溶ける。見兼ねたナツさんの小さな舌打ちの音に、びくりと体が跳ねた
「来い」
すぐ近くの公園の、遊具まで手を引かれて行く。ああ、ナツさんのポトフを食べたところだ、なんてぼうっと考えていると、優しくその中に座らされた
「右手だせ」
『そ、そんな酷くな「黙ってろ」はい…』
大人しく右手を差し出す。ナツさんが触れる場所だけ、熱を帯びているようだった
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夜雨(プロフ) - あやかさん» コメントありがとうございます！ひええ嬉しいお言葉…！お待ちいただきありがとうございます！2作目に続くと思いますので、どうかそちらもご愛読下さい* (2020年3月9日 0時) (
レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 更新嬉しいです！(*^o^*)頑張ってください！ずっと待ってます！ (2020年3月5日 22時) (レス) id: 79ee056cfe (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - まのるさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです…！ドラマロスもあってなかなか進まずにいますがお付き合いください…！* (2020年3月1日 13時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
まのる - 初めまして！グランメゾン東京の夢小説サイトを探していたら素敵なサイトにたどり着きました(*^^*)小説最高に面白いです！ゆっくりでいいので、更新お待ちしてます(*^^*) (2020年2月23日 1時) (レス) id: 99d3374e0d (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - satopi_cdさん» コメントありがとうございます！最近停滞しておりお待たせしておりますすみません…！頑張ります！ (2020年2月18日 19時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜雨 | 作成日時：2019年12月16日 12時
