Recipe:7-1 ページ20
『…ナツさん、いつでも飛び込んでおいで』
「そんな小せー胸に飛び込んでいけるかよ」
『失礼な！実寸大知らないくせに！』
プレオープンはなんとか成功させて、リンダさんから料理の評価は貰えたものの。記事に3年前の事件とナツさんの名前をしっかり出された為に、お店はキャンセルの連続で大打撃を受けていた。
「つーかA。お前、事情知ってたなら言えよ」
『ごめんなさい…。私から言うのは、祥ちゃんに申し訳ない気がして…』
――…
「グランメゾン東京、ですか？」
『う、ん？知ってるの？』
「…祥平くんに頼まれて、お父さんに口利きしてもらったお店の名前です…」
『祥ちゃんが？！』
「直接的に、融資をしてあげてっていう話ではなかったみたいなんですけど。…そっか。尾花さんがいるお店だったんだ…」
『突然試食してくれることになった、とは聞いてたけど…祥ちゃんがお願いしてくれてたとは…』
「…祥平くん、ホテル辞めちゃうのかな。」
『っ…ごめんね、美優ちゃん…！知らなかったとはいえ、嫌な形で巻き込んじゃった』
「Aさんが謝らないでください！ほら、Aさんとか、エスコフィユの時のお世話になった人の力になりたい、って思っただけかもしれないし！」
『…でも、美優ちゃんのお父さんに知られたら、』
「…まだ、もうちょっとだけ。
信じてみたいんです。祥平くんのこと――…」
「――…祥平くんも、Aさんだってそう！！
貴方が誘わなければよかったのに！！そうすれば、全部今まで通りだったのに！！貴方のせいでっ…！！
貴方がいなければ良かったのに！！！」
そんなこと、とは言えなかった。美優ちゃんの気持ちは、誰よりもわかる。
「お前は大丈夫か」
『え？』
「…俺のせいで、周りからなんかされたとか、マスコミに付き纏われたりとか、」
『してないですｯ！！大丈夫ですから、間違っても…！馬鹿なこと考えないでくださいね？！
このお店にナツさんは必要！いなくちゃいけない！要るべき！それ以外は有り得ない！です！以上！！』
一息に言い切ると、ナツさんは少し疲れたような表情で笑う。
「なあA」
『はい…っ！』
「バカ、なんでお前が泣いてんだよ…、貸せ」
『え』
言うな否や、ナツさんがこちらに体重を掛けて寄り掛かった。私の右肩にナツさんの額が押し付けられる。
『ひ、あ、』
「お前が飛び込んでいいって言ったんだろ」
『いっ、いくらでも！』
「…ありがとな」
ナツさんの声は、少し、弱々しい気がした。
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夜雨(プロフ) - あやかさん» コメントありがとうございます！ひええ嬉しいお言葉…！お待ちいただきありがとうございます！2作目に続くと思いますので、どうかそちらもご愛読下さい* (2020年3月9日 0時) (
レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 更新嬉しいです！(*^o^*)頑張ってください！ずっと待ってます！ (2020年3月5日 22時) (レス) id: 79ee056cfe (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - まのるさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです…！ドラマロスもあってなかなか進まずにいますがお付き合いください…！* (2020年3月1日 13時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
まのる - 初めまして！グランメゾン東京の夢小説サイトを探していたら素敵なサイトにたどり着きました(*^^*)小説最高に面白いです！ゆっくりでいいので、更新お待ちしてます(*^^*) (2020年2月23日 1時) (レス) id: 99d3374e0d (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - satopi_cdさん» コメントありがとうございます！最近停滞しておりお待たせしておりますすみません…！頑張ります！ (2020年2月18日 19時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜雨 | 作成日時：2019年12月16日 12時
