Recipe:4-2 ページ12
上司に辞めたいことを伝えるにあたって、問題なのは各部門を纏める支配人だった。強敵というか凶敵というか。
『急な話でご迷惑をおかけしてすみません。勿論すぐにではなくて、』
「当たり前だ。お前はチーフなんだぞ。責任があるだろ」
『…承知しております』
「次のチーフは。お前が今受け持ってる仕事は。人員補填はどうなる。大体女のお前がその歳で今から転職なんて、使ってくれるところがあるのか？本当は子供でもできたんじゃないのか」
『…』
言い返したい気持ちを必死に堪える為に、バレないよう後ろ手に握り拳を作った。我慢しろ。なんと言われても、この場を円満に終わらせるのが私の社会人としての仕事だ。
「思い上がってるんじゃないのか、まだ若いのにそんな役職ついて」
『…』
「そういえばお前は、例のあの店から来たんだっけな」
『…エスコフィユのことでしょうか』
「ああ、そうそう。日本の恥！そんな奴の下にいたなら常識なくて当たり前か。お前らも可哀想にな」
『ッ！！あのっ「支配人、どうされたんですか」…オーナーシェフ…』
「ああ、蜜山が辞めたいと言ってな。転職だそうだが、本当はどうだか」
「…そうですか、それは困りましたね」
「本当、常識がなくて困っ「いえ、そうではなく」」
「蜜山は非常に優秀なスタッフですから。スタッフからもお客様からも信頼され、彼女に会いにご宿泊されるお客様もいるくらいです。
私は彼女が次に行く場所が羨ましいですよ。」
「な…」
「すみません、つい長々と。では私は戻ります。蜜山、あまりホールを離れるなよ」
『あ、はいっ…失礼します』
オーナーシェフの後ろに続いて退室し、部屋から大分離れたところで
「お前、あそこでキレたら1年は辞めさせてくれないぞ」
『ゔっ…ありがとうございました』
「おう、感謝しろ。…気持ちはわかるけどな。貶されたくない、大事なもんだろ。エスコフィユは。」
『はい…』
「実は俺も、1度行ったことがある」
『え？！いつ？！聞いたことないですけど！』
「お前どや顔で自慢してくるだろ。腹立つから黙ってた」
『え、大人気な…』
「何か言ったか」
『いいえ！』
「…美味かった。今でも忘れられない味だ。お前は幸せだよ、あんな凄い料理人の下で働けて。
次の店でも、お前らしく頑張れよ」
『ｯ…私！ここの料理もどや顔でお客様にお持ちしてますよ！』
「はは、そりゃ誇らしい」
『オープンしたら、席予約しておきますから！』
「――…ああ。楽しみにしとくよ」
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夜雨(プロフ) - あやかさん» コメントありがとうございます！ひええ嬉しいお言葉…！お待ちいただきありがとうございます！2作目に続くと思いますので、どうかそちらもご愛読下さい* (2020年3月9日 0時) (
レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 更新嬉しいです！(*^o^*)頑張ってください！ずっと待ってます！ (2020年3月5日 22時) (レス) id: 79ee056cfe (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - まのるさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです…！ドラマロスもあってなかなか進まずにいますがお付き合いください…！* (2020年3月1日 13時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
まのる - 初めまして！グランメゾン東京の夢小説サイトを探していたら素敵なサイトにたどり着きました(*^^*)小説最高に面白いです！ゆっくりでいいので、更新お待ちしてます(*^^*) (2020年2月23日 1時) (レス) id: 99d3374e0d (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - satopi_cdさん» コメントありがとうございます！最近停滞しておりお待たせしておりますすみません…！頑張ります！ (2020年2月18日 19時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜雨 | 作成日時：2019年12月16日 12時
