【刀剣乱舞】審神者やってみよっかな。【男主】

第十六話 ページ19

｢ぁ...主、頬に土が付いていますよ
失礼します...っと、...取れましたよ｣

『ん...ありがと
ぁ、...ふふ、長谷部も土付いてるー』

｢え？ど、何処にですか？｣

『あご』

｢あ、顎！？｣


うん、何か髭みたーいって言ったら
長谷部は急いでこしこし擦ってた



主命大好きな長谷部や優しい大和守は勿論、
身なりに気を使うお洒落な加州までもが

綺麗な指先を汚し、土まみれになりながら
手伝ってくれたおかげで


土は耕され立派に畑となり、

本丸の縁側から見える庭には、沢山の種類の
花の苗が植えられた


本丸は審神者の霊力に包まれている為、
生命の保持や成長に長けているらしい

だから、数週間もたたないうちに
野菜は育って実をつくり、
花は美しく咲き乱れるだろう


楽しみだ。


｢ん゛ーっ、つっかれたぁ！
結構楽しかったけど...
あーあ...爪紅ぼろぼろ...最悪ぅ｣

『綺麗だったのにね
...俺が塗り直してあげよっか？』

｢え、ほんとに？いいの！？｣

『うん、いーよ。俺結構、指先器用だかんね』

やった、やったと言いながら
桜を舞い散らせる加州を羨ましそうに眺める大和守

大和守は少し頬を膨らませながら、
俺の腕にきゅ、と抱きついた

『大和守？どーした？』

｢...清光だけ、狡いよ｣

『...ふふ、じゃあ大和守は髪結い直したげるね』

そう言うと、大和守は清光と同様に
嬉しそうに笑った

良かった良かった、とつられて笑っていると、
ふと思い出す


もうそろそろ出陣組が
帰城してくる頃じゃ...

『はーせべ、多分もうすぐ国広達が
帰ってくる頃だろうから、
一緒にお出迎え行こ』

｢了解致しました！｣

『加州と大和守は先にお風呂入っといで。
お風呂から上がったら爪と髪やったげるからね』

｢はーい！｣

｢主もゆっくりお風呂入ってね？｣

『ん。』

ひらひらと２人に手を振り、
長谷部と並んで少し離れた門へと向かう


そういえば、もう昼過ぎかぁ...

お昼ご飯作んなきゃなー

あ、その前に国広達もお風呂に入らせないと



｢主、昼餉はどうされますか？｣

『そうだねぇ...人数も多いし、
簡単に作れるカレーにしようかな』

｢かれぇ...とは？｣

『んっと...どろっとしてて、茶色くて
舌が少しぴりぴりする食べ物だよ』

｢(舌がぴりぴり...！？それは大丈夫なのですか、
主！？)...成程、興味深いですね！｣

『ふふ、美味しいんだよ』

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