第十三話 ページ16
ー大和守安定sideー
「ねぇ、清光...まだ?」
「あ゛ーっ、もうちょい!もうちょっと待って!」
「もう...主が待ってるだろうに...」
呆れる僕の前で、鏡台の前に座って
髪を丁寧に結う清光
後10分もすれば、内番開始の予定時刻に
なってしまうのに。
_僕と清光は同室らしいので、
共に与えられた部屋に入室し、
共に身支度を始めた筈。
なのに圧倒的に清光の方が
支度に掛かる時間が長いとはどうしたことか。
「今からどうせ汚れるのに、
何でそんな着飾るの?」
「だって主と一緒に居るんだよ?可愛くしなきゃ!」
その言葉に、僕は少し顔を顰めた。
「...主は、こっちを見てくれないかもしれないのに?」
「...は?」
だって、清光も見たでしょ
主が山姥切さんと抱き合ってた。
顔真っ赤にして、幸せそうにしてた。
___「好き」って言ってた。
「...だから何。俺達だって大好きって
言って貰えたじゃん」
「...気付かないの?主の、僕達に宛てた
【好き】と、山姥切さんに宛てた【好き】は___」
「____気付いてるよ。」
静かな部屋に、清光の凛とした声が響き
その声が告げる思いもよらなかった返答に、
僕はただ目を見開いた
「気付いてるよ、そんな事。
でも、だから何なの?」
清光の真剣な声と眼差しに、少したじろぐ
「っ、だから、僕達に勝ち目は...っ」
「そんなのまだ分かんないでしょ
主はまだ、自分の気持ちを理解してない
俺達に向けた【好き】と、
山姥切さんに向けた【好き】は同じだと思ってる
まだ勝ち目はある。
相手が主の初期刀で、相棒だからって何だよ
そんなの俺には関係ないね」
真顔のまま清光はつらつら述べ、
一息ついたかと思うと、再び口を開いた
「それとも、安定の主へ向ける想いは
そんな生半可なものなの?
主が、誰かのものになってもいいのかよ」
紅い瞳でこちらを睨む清光に、
僕は叫んだ
「...違う!僕だって主が大好きだよ!
諦めたくない!譲りたくない!
誰かのものになるなんて、嫌だ!」
なかば八つ当たりの様に自分の想いを打ち明け、
肩で息をしながら、清光を睨み返す
「ん、やっと本音が出たね」
清光は、優しく笑っていた。
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天ノ江(プロフ) - 久遠さん» 陽月可愛いですかありがとうございます!!にっかりは会心の一撃を見てズキュウンとなりました。夜這いですか良いですね!了解致しました!まんばちゃん天使ですよね... (2017年5月20日 12時) (レス) id: 49f85c03a8 (このIDを非表示/違反報告)
久遠 - 陽月君可愛いですね( にっかりの登場が早くて跳びはねましたありがとうございます(( ぜひにっかりともいちゃいちゃして欲しいですね、夜這いてきな!!( これリクエストです待ってます(( まんば可愛いですね私も初期刀まんばですよッ (2017年5月20日 11時) (レス) id: 193e3c63af (このIDを非表示/違反報告)
天ノ江(プロフ) - 英智君尊いよぉぉぉぉぉ(((殴さん» 了解致しました!折角なので、このまま本編に織り込んでもう少し鶴丸に良い思いをさせようと思います(笑)リクエストありがとうございました! (2017年4月24日 23時) (レス) id: 49f85c03a8 (このIDを非表示/違反報告)
英智君尊いよぉぉぉぉぉ(((殴 - 鶴丸、、、けしからんもっとやれ(真顔)リクで今ある鶴丸のう腐腐腐でお願いします!!! (2017年4月24日 22時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
天ノ江(プロフ) - きこりさん» レスが大変遅くなってしまい、申し訳ありません!本編が一段落つき次第、是非とも書かせていただきます!お風呂とか素敵すぎる...勿論うふ腐にしますとも!リクエストありがとうございました! (2017年4月18日 21時) (レス) id: 49f85c03a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天ノ江 | 作成日時:2017年1月30日 1時