取り敢えず逃げよ。【五条悟】

19話 ページ22

どうやら、姫城夢愛は秘匿死刑になったらしい。

なんでも宛てがわれた任務先で等級に合わない呪霊が突如出現、それの術式をモロに受けて思考改変されたらしい。
これは予想でしかないけど、裏で五条悟が動いたんだろうな〜と踏んでいる。多分きっとメイビー。


「奏恵」

「どしたの萃瑠」

「悟が呼んでる」

「りょ」


私達はまだ五条悟を父親と認めていない。
戸籍の上でも、心の上でも。マ、血は確実に繋がってるんだけど。

取り敢えずはお母さんとの結婚からだよ。認めないけど。

私は隣にある萃瑠の小さい手を掴んで走り出した。


○


「ねぇねぇA！奏恵と萃瑠にも制服を作らない？」

「制服？高専の？」


職員室に悟くんが急襲したと思えばそんな事を言い出した。
確かに、最近鬼ごっことかを良くしているみたいだから動きやすい服を買おうと思っていたのだ。
高専の制服なら動き易いし、被服費も浮くし一石二鳥。可愛い2人も見れちゃうから一石三鳥。

私は二つ返事で頷き、悟くんとデザインを考える事にした。


「奏恵はスカートの方がいいのかな？」

「ううん、奏恵は最近短パンがお気に入りなの。そっちの方が動き易いし、萃瑠とお揃いにしておくのはどう？」

「A天才〜。あ、ついでにポシェットでも付けとこうか。スマホとか入れて置く用の」

「ん〜、それなら私作れるけど...」


そんなこんなで小一時間討議し、完成した2人の制服。
萃瑠に奏恵を呼んで来て貰い、制服を渡して着替えて貰った。


「はわわ」


かわいい。ウチの子かわいい。

まずは奏恵。
上は乙骨くんみたいに袖が膨らんでいる。
ひざ上のキュロットから伸びる足は安全性を考慮してタイツを履いている。なんと私のお呪い(結界)付き。
腰に巻いた白色のポシェットにはお菓子とスマホ、ハンカチティッシュが入っている。
靴は今まで通りの運動靴。

次は萃瑠。
萃瑠は悟くんが高専時代の時と同じデザイン。
腰のポシェットは茶色で、中身は奏恵と同じ。

これで2人も高専の一員。

奏恵も萃瑠もかなり喜んでくれていて本当に嬉しい。
大事にしてね、とだけ言うと、2人は元気に返事を返して職員室を飛び出して行った。

私は今から祓霊のお付き添い。
さっき伊地知君に渡された資料を見ると、懐かしい名前が担当呪術師の欄に並んでいた。


「あれ、もしかしてAちゃん！？」

「もしかしなくてもあれは練(きたえ)でしょう」

「久しぶりだね、七海くんに、



灰原くん！」

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