【魔入間】A組のプリン(セ)ス【男主】

44.カーテンコールはお望みのままに？ ページ45

【side:ソイ】

ソイ「…って事だから結局僕が悪いんじゃなくて……聞いてる？」

小言と抗議が入り交じったみたいにぶつくさ文句言ってたらAはどこか上の空。

たまに勝手にトリップするの悪い癖だと思うんだけど。

若干伏せられて物憂げな表情のAがどことなく不愉快。

僕が目の前にいるのにさ。

彼の唇を添えた親指で すり、と優しく表面を撫ぜる。

チラ、と彼を見やると先程とは打って変わった表情でこちらを見ている。

さながら獲物を見つけた猛獣。


『な〜にソイ、キスでもしてくれんの？』


余裕の表情はいつぞやの君と重なって見えた。

だから僕はこう答えた。

ソイ「いや僕のキスはそんなにホイホイするほど安くないしするならナイスバディの綺麗なお姉さん悪魔にするしなんで君ごときが貰えると思ってるのか小一時間ほど問い詰めたいんだけど心の準備は出来てる訳？」

『う〜ん予想外の反応』

肩を竦めておどけて見せる彼と同じような仕草でからかう。

強めにこづかれた肩はジンジン痛んだけどそれすらも愛おしい。

あ〜あ、僕以外彼のこと見えなきゃいいのにな。

番犬って言われた時、ちょっとそれっぽいかもって自分でも思った。

最初は王子とか、騎士とか、姫と結ばれるような役職で言えよって思ったけど。

番犬なら、いつだって近くにいられる。

大変なら口に咥えて逃げちゃおう。

名門なんて家柄全部ほっぽり出して、夜明けまで駆けて、僕の傍で眠るように命を絶えてしまえ。

これ言ったら重すぎって引かれるだろうから言わないけど割と本気。



だって隠すのは、誰より得意だしさ。

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