34.冬空、捕食者と仰ぐ ページ35
※ちょい薔薇です
【side:ジャズ】
流石の兄貴も口開けてアホ面。
その顔がすごい小気味よかったけどブチ切れてるAを前にそんなこと言えるはず無い。
『おいジャズの兄貴てめぇオレのことオンナノコ扱いしやがったな』
ロック「は?そりゃお前女の子だし」
『どこがだっつの』
ロック「いや、まぁ仕草とか見た目とか・・・?」
『かわいいってだけで女の子だと思った訳!?』
ロック「そりゃ思うだろっつーかお前自分にめっちゃ自信あるのな」
『しょうがないだろ俺可愛いし』
ギャンギャンとガキみたいに騒ぐ二人、置いてけぼりの俺。
ぽけーっとそのまま二人を見てたら急に喧噪が止む。
暫しの沈黙の後、それを破ったのはAだった。
『・・・もう一回聞くぞ?俺が可愛かったから女の子だと勘違いしたんだな?』
ロック「そうだって、しつこ『じゃあ、お前もジャズも女の子じゃん』・・・は?」
ジャズ「なんだその暴論」
『暴論じゃないよ、だってそうでしょ?』
そう言って俺にそっと近付き、優しく目元に触れる。
少し冷たい指先に少しだけ肩を震わす。
そんな様子の俺の耳元で可愛いと一言。
それだけで顔が焼けるように熱い。
『照れてんの?かわいい。優しい目も、少し俺より大きい手も、かわいいな』
甘くて少し掠れた声は続ける。
『ジャズの兄貴はさ、いじりに来た癖にすぐカーってなって言い合いになっちゃうとことか、ジャズより柔らかいふわふわの髪とか可愛い』
ロック「ロック」
『は?』
ロック「名前で呼べば」
『何それ、可愛い』
クスクスと笑って自然な流れで俺らの手を取るA。
彼は俺らの手を恋人みたいに絡ませてどこか妖艶に笑う。
『なぁ、可愛いお二人さん。俺がガールフレンドにしてやろっか?』
綺麗な水晶の瞳が怪しく曇る。
少しセクシーだった小悪魔はいつの間にか、獲物を狙う捕食者に豹変していた。
逃げなきゃ、と思うほどの怪しい雰囲気と人通りの少ない町の隅、冬の午後4時27分を包む薄暗い寒さは俺たちをその場に縫い付けたかのようだった。
35.淡い冬の日の回想→←33.ひめ には こうかが ない ようだ・・・ ▽
140人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私男主の愛され大好物なので嬉しいです!魔入りました入間くんのキャラ全員推し(つまり箱推し)なので嬉しいです!更新頑張ってください! (6月11日 17時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
傚苺やと(プロフ) - ハルさん» ひぇ...ありがとうございます...💞💞不意打ちに弱い夢主君すこってってやってください😊😊 (2021年12月18日 0時) (レス) id: 6adeaaad5d (このIDを非表示/違反報告)
ハル - この作品好きです!夢主君が相手から攻められるのは照れるとことかが好きです!!更新頑張ってください! (2021年12月4日 12時) (レス) @page35 id: a05b0687be (このIDを非表示/違反報告)
傚苺やと(プロフ) - ポウさん» ひゃ〜!!!ありがとうございます!!ゆったり続けて行きますので暖かく見守って頂けると嬉しいです(*´˘`*) (2021年10月2日 3時) (レス) id: b262b490af (このIDを非表示/違反報告)
ポウ - もうこのお話大好きです!次どうなるんだろう🤔続き楽しみにしております!これからも頑張ってください! (2021年9月28日 0時) (レス) @page23 id: 73de415c6e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:傚苺やと。 | 作成日時:2021年8月20日 4時