【魔入間】A組のプリン(セ)ス【男主】

30.ちびっこでも小悪魔 ページ31

【side:ジャズ】




ジャズ「だって、お前…」


『そ、君とおんなじのオトコノコ〜。ごめんね、紛らわしくて』


少し眉を下げてどこか哀しげにヘラリと笑うソイツになんだか無性に腹が立った。


『あの、手、何…？』


俺に急に手を握られたアイツはびっくり顔で問い掛ける。


ジャズ「お、れはさ！！！」


『うるっさ……耳キーンってなっちゃうじゃん』


顔をしかめたのなんかお構いなしに同じ声量で届ける。


ジャズ「俺は！性別！！ど、どっちだろうが、お前と話すの楽しい、し！！お前、はかわいいよ！！」


黙って聞いてたそいつは俺が言い切ると握られてる手を離した。


頑張ってキザっぽいこと言ってみたけど届かなかったのかな。


悔しくてうつむくと視界が滲む。


するとすぐにクスクスと笑い声が飛んでくる。


頭に少し重みを感じる。


思いっきりペットみたいにワシャワシャ撫でられる。


ふと撫で回す手が止まって、髪を直しつつあいつの方を見る。


さっきまでのおしとやかさなんてかなぐり捨てたように片膝立てて頬杖をつきながら此方を見据えている。


スウッと息を吸い込む音。


俺の何億倍もの爆音が降ってくる。


『知ってるっつーの！！！！！俺がかわいいのも！！！』


ふわりと薫る甘い匂い。


背中は地べたにくっついてる。


抱きつかれた勢いで倒れちゃったんだ。


キョトンとしている俺の耳元に口を寄せてソイツは俺に囁く。


『君が、俺に一目惚れしちゃったっぽいことも、な』


可愛い彼は年相応に顔をくしゃくしゃにしておでこにおでこをくっ付けてきた。

31.正面小蛇、横大蛇。→←29.幼蛇とちびプリンセス

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す